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ゲート 英雄来たれり
第二話
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は違う綺麗さがある。

 「・・・やっぱり美人だよな」

 「!!」
俺がそう伝えると一瞬で顔を真っ赤に染め背に顔を押し付けてしまった。尻尾が凄い勢いで振られていた。発電できそうだな。そこで会話は途切れ無言のままイタリカを目指す。
イタリカを目指して二日が経過した。

 「・・・! あれがイタリカよ」
ペルシアが指差す先には城壁に囲まれた町イタルカが見えた・・・のだが。

 「また盗賊か」
門らしきところで盗賊と商人が争っていた。荷馬車から荷物を奪った盗賊が馬に乗りこっちに逃げ出してくる・・・盗賊は二十人余り。逃がすわけにはいかないな。

 「投影、開始」
左腕に黒い洋弓、右手に弓を投影し更に周囲に剣を多重投影する。弓を弦につがえ、引き絞り・・・放つ。
矢と剣が凄まじい速度で盗賊集団に向かって飛んでいく。一人の頭部に矢が、剣が体を貫通し他の仲間に突き刺さる。逃げる間もなく盗賊は壊滅した。
弓を消しイタリカに向かう途中でペルシアに尋ねられた。

 「あの,ゼロ。今のは魔法?」
魔法ね。Fateの世界じゃ魔術と呼んでいたけど、ここじゃ魔法と言うのか。

 「まあな。このことは秘密にしといてくれよ? 面倒事は避けたいからな」
俺がそう答えるとコクっと頷いた。
盗賊の遺体に近づくと血の匂いが鼻を突いた。生臭い。ペルシアも顔をしかめマントで鼻を隠す。動物って人より嗅覚が敏感だからキツイだろうな。
遺体を通りすぎると、門から商人らしき男が数人、槍を持った衛兵が二人近づいてきた。近づくと「少し良いだろうか」と衛兵に声をかけられた。

 「あの盗賊はアンタがやってくれたのか?」

 「だったら何だ?」

 「おお! そうであったか。いや〜ありがとう。盗賊の被害が相次いでね、この荷物は盗まれるわけにはいかなかったのだよ。何せ最近は荷物を・・・」
途中、四十過ぎの老人が間に入ってきて俺の手を強く握ってきていきなり話し始めた。誰だこの人・・・。

 「この人は被害にあった商人のリーダーさ。この人の商隊はいつも盗賊の被害にあっていてね。今回も運悪く盗賊にあってしまったわけだ」
・・・何か可哀そうな人だな、この人。

 「それで前の月の日も教われてな・・・」
しかしずっと喋っているなこの老人、早くイタリカに向かいたいんだが。

 「じいさん。悪いがそこまでにしてもらえないか? 今は少しでも被害の後処理を進めたいのだが」
見かねた衛兵が声をかける。老人は「おお、これは失礼した」と言い荷物を取りに行った。やっと終わったか。

 「すまないな旅の者。イタリカに来たのか?」

 「ああ。宿はどこかにないか」

 「宿は入った通りを少し進んだ先に大きな宿がある。そこは旅人に人気がある宿だ」

 「
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