暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」(みほちん)
第49話<発令キラキラ>
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「……お前は今、出撃すれば無敵だな」

----------------------------
マイ「艦これ」「みほちん」
:49話<発令キラキラ>(改)
---------------------------

 鎮守府本館の建物から大淀さんが走って来る。ところが、この陽気もあってか彼女は次第にハァハァと息が切れて、とても辛そうだ。

 呉が言う。
「彼女も艦娘でしょう?」

「えっと大淀さんでしたっけ?」
これは神戸。

「運動不足か?」
『……』
この発言に呉以外の参謀たちは苦笑する。

 確かに艦娘にしてはバテるのが早い。司令部に長く張り付きすぎた弊害だろうか?

『いやいや、これはきっと比叡の脚が速過ぎたんだよ』
 私は心中で勝手に弁解した。ちょっと扱い難いとは言え比叡は高速戦艦だからな……と感心する。

「司令! 艦隊司令部から電文で……」
 大淀さんは走りながら何かを伝えようと必死だ。

 だが彼女は直ぐに『ウルウル』している比叡と私を視認して状況を悟ったらしい。

「あ……」
 急に安堵した表情に変わった。

『「(こと)」が済んだなら、もはや急ぐこともあるまい』
 そんな雰囲気に変わった大淀さん
(この間、およそ0.2秒以下)。

「こほん」
 と、軽く咳払いをした。そして照れ隠しをするような表情を浮かべて歩き始めた。
この変わり身の速さもまた彼女らしい。

 改めて横を見ると比叡は脱力したまま地べたに座り込んでいる。よく見ると地面に『の』の字を書いている。おい止めてくれ。

「どこでそんなことを覚えたんだよ」
 何気なく聞いたが彼女は呆けた表情でこっちを見上げるばかり。やれやれ。

 さて参謀どもは……
1)ニヤ付き1名。
2)呆け(唖然)顔1名。
3)腕組み1名。

 なお、この一連の状況に秘書艦も呆れ顔だ。もう堪忍してくれ。

 さて私の側まで来て敬礼をした大淀さん。
「報告します司令」

「ああ」
 私も敬礼を返す。

「連合艦隊司令部より移管命令です。本日15:00を以って次の所属を舞鶴から美保へ移管するそうです」
 そう言いつつ彼女は指令書を私に手渡す。そこには以下の項目があった。

 一)正規空母 赤城。
 一)練習戦艦 比叡。

「……以上です」

 私は比叡に言った。
「おい、お前にも正式に美保への移管が発令されたぞ」

 それを聞いた彼女は突然、表情がキラキラに変わった。

「きゃー」
比叡は頬に手を添えて、その場で弾かれるように飛び上がったかと思ったら、またこちらへ向かってきた!

「おっと」
残念ながら私も素早く身体を(ひるがえ)した。
(この間、2.5秒以下)
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ