第49話<発令キラキラ>
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「……お前は今、出撃すれば無敵だな」
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マイ「艦これ」「みほちん」
:49話<発令キラキラ>(改)
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鎮守府本館の建物から大淀さんが走って来る。ところが、この陽気もあってか彼女は次第にハァハァと息が切れて、とても辛そうだ。
呉が言う。
「彼女も艦娘でしょう?」
「えっと大淀さんでしたっけ?」
これは神戸。
「運動不足か?」
『……』
この発言に呉以外の参謀たちは苦笑する。
確かに艦娘にしてはバテるのが早い。司令部に長く張り付きすぎた弊害だろうか?
『いやいや、これはきっと比叡の脚が速過ぎたんだよ』
私は心中で勝手に弁解した。ちょっと扱い難いとは言え比叡は高速戦艦だからな……と感心する。
「司令! 艦隊司令部から電文で……」
大淀さんは走りながら何かを伝えようと必死だ。
だが彼女は直ぐに『ウルウル』している比叡と私を視認して状況を悟ったらしい。
「あ……」
急に安堵した表情に変わった。
『「事」が済んだなら、もはや急ぐこともあるまい』
そんな雰囲気に変わった大淀さん
(この間、およそ0.2秒以下)。
「こほん」
と、軽く咳払いをした。そして照れ隠しをするような表情を浮かべて歩き始めた。
この変わり身の速さもまた彼女らしい。
改めて横を見ると比叡は脱力したまま地べたに座り込んでいる。よく見ると地面に『の』の字を書いている。おい止めてくれ。
「どこでそんなことを覚えたんだよ」
何気なく聞いたが彼女は呆けた表情でこっちを見上げるばかり。やれやれ。
さて参謀どもは……
1)ニヤ付き1名。
2)呆け(唖然)顔1名。
3)腕組み1名。
なお、この一連の状況に秘書艦も呆れ顔だ。もう堪忍してくれ。
さて私の側まで来て敬礼をした大淀さん。
「報告します司令」
「ああ」
私も敬礼を返す。
「連合艦隊司令部より移管命令です。本日15:00を以って次の所属を舞鶴から美保へ移管するそうです」
そう言いつつ彼女は指令書を私に手渡す。そこには以下の項目があった。
一)正規空母 赤城。
一)練習戦艦 比叡。
「……以上です」
私は比叡に言った。
「おい、お前にも正式に美保への移管が発令されたぞ」
それを聞いた彼女は突然、表情がキラキラに変わった。
「きゃー」
比叡は頬に手を添えて、その場で弾かれるように飛び上がったかと思ったら、またこちらへ向かってきた!
「おっと」
残念ながら私も素早く身体を翻した。
(この間、2.5秒以下)
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