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SAO−銀ノ月−
記憶
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! とか言われると思って」

「……あたしだって、風邪気味の時ぐらい素直に言うこと聞くわよ。そんなことより、さっさと今日の分、終わらせちゃいましょ」

「……少なくないか?」

 多少、無理やり話を逸らされた感じはあるが。今日のメンテナンスや武器の注文がまとめてある羊皮紙を投げ渡され、どれぐらいかと目文をしてみると、その注文量の少なさに二度見してしまう。シリカにピナも覗き込んでは来たものの、あまりピンと来ていない様子だった。

「少ないんですか?」

「ん……ま、多くはないわね。ショウキが来る前にちゃちゃっとやっちゃう気だったし、あたしも」

「素材の仕入れ量減らさないと赤字なぐらいだ」

「へぇ……もう長年やってる感じですね」

「実際、あの浮遊城の時からな訳だしな」

 メニューから帳簿を呼び出しながら会計をする俺たちに、シリカは何やら感心したような様子を見せていた。かく言う自分も、リズの店を手伝うようになってから、我流で会計やら帳簿書きやらを覚えた――もちろん、あの浮遊城に参考書があるはずもない――訳で、デスゲームに参加する前の自分が見れば驚く光景だろう。

「まあ……ね。でもあんた、ずいぶん上手いわよね。仕入れとか」

 とはいえあのデスゲームで覚えたなどと言うのも奇妙な話からか、リズも珍しく歯切れが悪くなったようで、代わりに帳簿で素材の仕入れ量を引き下げておく。すると帳簿を覗き込んできたリズが、意外そうに表情で見つめてきた。

「それはもう、SAO時代からずっと、リズさんを支えてきたってことじゃないですか!」

「そ……そうだな。始めるか」

「あ、鍛冶となればお邪魔ですね。リズさん、お大事に! ショウキさんは、リズさんをよろしくお願いしますね〜」

 妙に仕入れやら会計が上手いというのは、少し触れられたくはないことだったので。お礼を言うわけにもいかないが、シリカのおかげで話題を逸らすことに成功した。するとそのシリカが、何やら下世話な笑みをニヤニヤと浮かべながら、ピナとともに礼をして工房から外に出ていった。

「それじゃ、よろしくされたし……」

「ログアウトしろ、ってんでしょ? 大丈夫だってば……こう言えば満足なんだっけ?」

「……じゃ、さっさと終わらせるか」

「ええ!」

 こちらの言うことを分かってるというべきか、分かっていないというべきか、分かりすぎているというべきか。これは言っても聞かないと観念すると同時に、こちらも過保護すぎるなと反省しながら、とりあえず仕事を軽く分担していく。

「それじゃ、やるわよ!」

「了解」

 お気に入りの武器のメンテナンス、武器の新造、分解することによる素材の入手、武器への特殊効果の付与――などが、主に鍛冶屋に
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