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SAO−銀ノ月−
記憶
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らないが故のデスゲームだ。

 そんな不測事態が起きた時に、自分が作った武器は、剣士を生きて帰すことが出来るのか? 自分自身は最前線など足を踏み入れることも出来ないのに、自分は他のプレイヤーたちに武器を与え、『あたしの代わりにデスゲームを攻略しろ』と強いているにもかかわらず。

 ――だからリズベットにとっての『死』のイメージは、自分が作った武器を持った者の死。鍛冶作業も終わって一人になると、この店に来た客が一人一人、モンスターに殺されるイメージが襲いかかる。

「っ……」

 自らの肩を抱いて死のイメージに圧し潰されないようにするリズベットを見て、里香は苦々しげな表情を見せながら手を伸ばした。すると予想に反して、恐れるリズベットの肩に優しく触れることが出来た。

『キャッ……!』

 怖がらなくていい、絶対にみんな生きて帰ってくる――そんな思いを込めた手だったが、リズベットは椅子から立ち上がって里香から逃げだしていく。信じられないような目で里香を見て、普段の気丈さが嘘のように部屋の隅で子供のごとく震えていた。

「……なんて顔してんのよ」

 リズベットが信じられないような目で里香を見ているのは、同じ顔をした者が目の前にいるから、というわけではなく。死のイメージをリズベットに運んでくる『死神』とでも呼ぶべき人物は、いつだってプレイヤーたちに武器を与えて死地に赴かせる者――すなわち、リズベット本人だったからだ。

 自らは安全な場所にいるにもかかわらず、他の者を死地に追い込んでデスゲームをクリアさせる。それを死神以外にどう形容するべきか。

『ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……』

「あんたは攻略組の人を助けてるんでしょうが! 死神なんかじゃなくて!」

 夢の中の自分に向かって怒鳴るなどと、無駄なことだとは分かっていたが。それでも里香は、部屋の隅でフレンドリストを見て謝り続ける自分を見て、どうしても言わざるを得なくなった。

『そ、そうだ……そろそろ、素材を取りに行かなきゃ……』

 ……自分だけが安全圏にいる、というコンプレックスを持っていなかったと言えば、それは嘘になってしまうが。故に素材は町で買うだけではなく、わざわざフィールドにも出て行くことがあった。自分もデスゲームで戦っているんだ、と誰でもない自分にアピールするように。

『……――……――』

 そのままリズベットはゆっくりと立ち上がると、まるで生ける屍のようにフラフラとフィールドに向かう準備を始めていた。もはや言語化しきれていない呟きを発していたが、不思議と里香にはその呟きの内容が伝わってきた。

 こんなデスゲームに参加することになった環境への恨みか、自分と違っ
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