暁 〜小説投稿サイト〜
マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
疑念
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
からなくともいつかは来ると。」

「そうだが……それが?」

「その為にVF-25を開発し、S.M.Sと契約し、コード・ビクターを準備した。目的が分からないのならどうやって予測したんですか?」

そう、フロンティア政府はバジュラが来ると分かっていた。何故?何か前兆の様なものがあったのか?

「……当時バジュラは宇宙に棲む原生生物だと考えられていた。その棲息テリトリーに近付いていた為だ。」

「その棲息テリトリーというのは何処からの情報ですか?フロンティア船団の前方に広がるのは未だ人類が未踏の宇宙。事前情報などある筈がありませんが?」

「……翼、その辺にしときな。」

姐さんに制止される。少し突っ込み過ぎたか……でも、確実に妙だ。何か裏がある気がしてならない。

「……烏羽中尉、だったね。面白い観点だったよ。君の名前は覚えておこう。」

三島補佐官が意味ありげな表情と共に言った時、ふと、何か猛烈な悪寒が襲った。

「……ッ!?」

慌てて周囲を確認する。

「どうした、翼!?」

そして見つける。培養槽に入れられ、完全に死んでいる筈のバジュラの腹部が淡く光っているのを。

「……バジュラが!」

「何!?」

バジュラが突然息を吹き返し、培養槽の中で暴れだす。逞しい腕の殴打を受けて、強化ガラスのケースにひびが入る。

三島補佐官が制御盤に飛び付き、緊急ボタンを押す。叫び声と共に、ものの数秒でバジュラは分子レベルまで分解された。

「……一体、何故?」

三島補佐官が驚きの様子で空になった培養槽を見つめ、次いで此方に視線を向ける。

その、蛇の様な絡み付く視線が、妙に強く心に引っ掛かった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ