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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第五話
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礼した。

「お初にお目に掛かります有栖川宮正仁殿下。自分は斑鳩家嫡男の斑鳩崇継と申します」
「そうか……。私は有栖川宮正仁であり皇族ではあるが、堅苦しいのは嫌いだ。友人のように接してくれればこちらとしてはやりやすい」
「ハッ。では………なんと呼べば良いのかな?」
「いちいち有栖川宮と呼ぶのは面倒だろう。正仁で良いぞ」
「では正仁とお呼びしよう。よろしく正仁」
「こちらもよろしくな、斑鳩」

 意外にも二人のやり取りは何の険悪な雰囲気などなく、ごく普通の友人関係になった。しかし正仁の内心は腸が煮えくりかえるような思いだった。

(誰がお前と友人になるものか!!今すぐぶっ殺してやりたいわ!!!)

 対して斑鳩も有栖川宮の武家嫌いはある程度耳に入ってきていたので顔は爽やかな笑みを浮かべているが内心は非常に警戒していた。

(ふむ、雰囲気はうまく隠せてはいるが、目が笑っていないのは丸分かりですよ。殿下)

 こんな二人をそっちのけでレグルスは未だに小太刀の手入れをしている少女を見ていた。

「でだ斑鳩、お前の後ろに立っているのは誰だ?」
「これは私の古くからの友人だ」
「真壁介六助と申します」
「うん、よろしくな真壁。……斑鳩一つ聞いて良いか?」
「ん、何だ?私の趣味のことか?」
「いやそれも気になるが、あの人は何だ?」

 そう言い、正仁の視線は斑鳩からメガネの少女に移り、斑鳩も少女の姿を確認するとため息を出した。

「あれは…その……赤の家柄である月詠家の長女なんだが…色々と問題がある」
「問題?何が問題なんだ?とりあえず呼んでくれないか?俺の親友がずっと見ているんだが……」

 正仁の後ろにいるレグルスは先程と何ら変わらずじっと見つめていた。それを見た斑鳩は若干顔を引きつらせながらも、その少女を呼ぶことにした。

「月詠、ちょっとこっちに来てくれないか?」

 そう斑鳩が聞こえるように大きめの声で言うと、少女はこちらに気づき、小太刀を鞘に入れて、机に置くのではなく、そのまま手にして近づいてきた。
 そして正仁、レグルス、斑鳩、真壁四人の前に止まり、少女は口を開いた。

「なんや?斑鳩はん?うちに何のようなん?」

 非常に訛っていた。そして五摂家相手に様ではなく、はんという言葉使いで、正仁も口を大きく開いて驚いた。それに対し斑鳩はため息だけした。もう慣れているようだ。

「月詠、こちらのお方は有栖川宮正仁殿下だ。お前と話がしたいそうだ」
「ふ〜ん……」

 月詠は、驚くことも敬意を払うこともせず、ジロジロと正仁の身体の隅々まで見始めた。
 正仁はただ動かず、月詠の観察を終わるのを待ち、斑鳩と真壁は月詠が粗相をしないか心配しながら終わるのを待った。

「うん。ええ
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