第五十話 入試テストその十三
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「見たぜ」
「そうだったの」
「お互い受かってよかったな」
「そうよね」
「それで卒業したらだよな」
「ええ、卒業式が終わったら」
「すぐか」
「いえ、クラスの女の子達で集まってね」
そしてというのだ。
「お別れパーティーするの」
「そうなのか」
「それが終わってからね」
「それからか」
「引越しの用意は進めるから」
卒業式までにというのだ。
「それからね」
「こっちに来るのか」
「そうするわ」
こう龍馬に話した。
「私はね」
「そうか、じゃあ卒業してから三日位してか」
「それ位になるわ」
神戸に戻るのはというのだ。
「だからね」
「少し待っていてくれたら」
「有り難いか」
「そうしてくれる?」
優花は龍馬に頼んだ。
「絶対に戻って来るから」
「待つさ、ただな」
「ただ?」
「神戸に帰って来るまで気をつけろよ」
「健康のこととか」
「交通事故にもな」
龍馬は優花にこのことも注意した。
「注意してくれよ」
「それもね」
「あるからな」
それこそ何処にもとだ、龍馬は言うのだった。
「俺もだけれどな」
「そうよね、自動車でも自転車でもね」
「本当に注意してくれよ、神戸に戻ってきてからもだけれどな」
「そうするわ、絶対に」
「病気にもな」
「風邪ひいたらね」
優花はいつも健康管理には気をつけている、だから食事にも野菜や魚、そして肉のバランスを考えているのだ。
「そこから崩れるし」
「風邪は万病のもとだからな」
「実際にそうだからね」
「気をつけてくれよ」
「そちらもね」
「そうして戻ってきてくれよ」
神戸、この街にというのだ。
「絶対に」
「そうする様にしていくわね」
「頼むな、それにしてもな」
「それにしてもって?」
「いや、戻って来るまでな」
それこそとだ、龍馬はしみじみとした言葉で言った。
「そうなれるなんてな」
「嘘みたい?」
「正直御前が女の子になるって知った時な」
その時のことをだ、龍馬は思い出して優花に言った。彼女自身に。
「俺どうなるかって思ったよ」
「ええ、私もね」
「そうだよな、御前が一番」
「そんなこと言われてもだったから」
「戸惑ってたよな」
「それで神戸から引っ越してな」
長崎、その街にだ。
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