第三章 X《クロス》
浸食
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が、そこからなのはが空へと飛ぼうとし身体が浮いたその瞬間、今までいた場所に桜色の砲撃が襲いかかった。
そしてその砲撃は、なのはの片足を掠っていき、彼女の体制を大きく崩した。
「づッッ!?・・・ッァがッ!!・・・ハ・・・・」
「ママ!!」
これから上昇しよう加速しかけていたところにそれだ。ヴィヴィオをかばったために、なのはが背中から巨木に落ちていき、地面に倒れて呼吸が止まる。
倒れたなのはの目には、木々の間に空いた大きな穴の中を、ブロッサムアンデットが悠々と歩いてくる姿が映った。
「貴様に上空へと飛ばす隙は与えない。この状況では砲撃は打ちたくても撃てまい?まあこれなら」
ギィィィィイイイイイ・・・・!!!!
「お仲間はお前さんの砲撃と思うかもな!!!」
ドンッッ!!!
「ダメェッ!!」
「ヴィヴィオッ!!」
ブロッサムアンデットの放った巨大なエネルギー球体が、倒れるなのはに向かって打ち出された。
が、その前に立ったのはこともあろうかヴィヴィオだった。
癇癪を起したかのような否定の声を上げ、向かってくる球体に、防ぐかのように両手を突き出ると、ヴィヴィオの手の先から七色の魔力が噴き出してその球体を、まるで最初からなかったかのように霧散させてしまった。
「・・・・・おぉ」
「なのはママに・・・これ以上ひどいことしないで!!!」
「では貴女に御同行願おう!!素晴らしき聖王の力を持ちし少女よ!!」
「ヤダ!!!」
ヴィヴィオが迫ってくるブロッサムアンデットに向かって、一切臆することなくそう叫ぶ。
そこに宿るは強固な意志。
自分は絶対にあきらめない。
守られてばかりはいやだから。
しかし、その意志もむなしく
「げホッ・・・」
「小さな体でよく頑張って抵抗した。さすがだ」
「ヴィヴィオ!!!」
ブロッサムアンデットの肩にヴィヴィオが担がれ、それを止めようとなのはが立ちあがってレイジングハートを向けた。
しかし、被弾した片足はまともに機能しておらず、酸素を一気に吐き出したからかまだ腕も震えている。
「その砲撃もいいが・・・当たるのか?外れれば仲間に当たるぞ?」
「ッッ・・・」
満身創痍で構えるなのはだが、それにブロッサムアンデットは特に警戒もしない。
撃ってくるはずはないと高をくくっているのだ。
そして、それは正しい。
いま、この空間での非殺傷設定はつけられない。訓練場がこのような状態では、作動させるのは無理だ。
万が一仲間やヴィヴィオに当たっては確実に怪我をさせる。
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