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世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
告白
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効果的な痛みを・・・・


そう、思っていた。
今日の事件が終わり、ホテルでティアナからの連絡を受けるまで。


しかし、その思いも今はない。
それははっきりと、ブロッサムアンデットに言ってやった。



あの化け物曰く、これらの真相を知った自分にマリアージュを操らせ、あるものを探させるつもりだったらしい。



しかし、最終的に彼女はこれを使うことをやめた。
その原因となったのは・・・・




「ありがとうございました。みなさん」


そういって、ルネッサが頭を下げる。
その相手は、この部屋にいる全員だ。



世界は決して、平和であることに堕落などしていない。

そう、思わせてくれた人たちだ。



もし・・・・
もう何年か後だったら、彼女は踏みとどまれなかったかもしれない。

もし、もう何年か検死官をし、途絶えることのない、事件に巻き込まれたいくつもの死体を見ていたら・・・・彼女はこの世界の愚かさを嘆いてしまったかもしれない。
世界に牙をむいてしまっていたかもしれない。



「それでも、私は世界はまだ素晴らしくあれると思えました。本当にありがとうございます」



そういって、また頭を下げるルネッサ。
そして同時に、ティアナに向かって両手を差し出していた。


「なに?ルネ」

「私は・・・これを持っていました。何かわからなかったとはいえ、事件を止められたかもしれないモノを。しかも、これから使おうとも思ってしまっていた。だから・・・」

「馬鹿ね」

「え?」



ティアナがルネッサのその手をおろし、しっかりと目の前に立ってこう言った。



「貴女は最初、これがなんなのか知らなかった。ここに来てやっと、マリアージュ制御のプログラムだとわかった。それを使おうとも一瞬思ったが、踏みとどまってマリアージュの活動を全停止させようとした。そういうことでしょ?」

「はい・・・・」

「だったら、あなたは罪に問われない。故意がない以上、私にはそこに手錠をかける権利を持ってないわよ?」

「しかし、何かしらの・・・!!」

「うーーーん・・・じゃあこの場合、「EARTH」的にはどうなるんでしょうね?理樹」


素直に「わかりました」といわない・・・・というか、言えないルネッサ。
それに対し、ティアナはじゃあどうしようか、と理樹に聞いてみる。


「そうだなぁ・・・・上司であるティアナに報告しなかったことへの始末書かな?」

「そ・・・そんなことで?」

「それとも筋肉に関して原稿用紙300枚のレポートでも書くか?」

「いえ・・・遠慮します」


と、そこに口を挟んできた真人。

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