暁 〜小説投稿サイト〜
詩織の【全裸のモーニングサービス】
彼が寝ている隣の部屋で
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体育座りのポーズでしか撮れなかった。
それほど、恥ずかしかったのか、怖かったのか。

でも、けなげだな。

その恥ずかしさに耐えて裸になって、処女を捧げたんだ。


リナさんは暗い部屋でしか抱かれないという。
彼は、恋人の完全な裸体を数えるほどしか、しかも暗いベッドの上でしか、見たことがないという。

明るい場所で見る、初めての裸の女性が、私。友達の彼女。
彼は、興奮しているというより、感動していた。

隣で本来の彼が寝てるけど、あの状態で起きてくることはない(学習ずみ)。だいたい、私のヌードを流出させた張本人ではないか。文句は言わせない。

公平という観点から、体育座りのポーズだけ、撮影を許可した。
ただ、乳房は隠さなかった。

隣の部屋の爆睡野郎に遠慮してか、恐る恐る私のヌードを鑑賞する彼。

あ、そういうの、嫌いじゃない。

私は、彼に歩みより、彼の手を取って、私の胸にあてさせた。
「明るい部屋で、いいよ」

セックスが始まった。

乱暴にしていいよ。リナさんじゃできないこと、していいよ。
おおいかぶさってきた彼に言ったのは、それだけだった。

でも、普通に私を組み敷く体位は変えなかった。


実は、明るい部屋でのセックスは、私も恥ずかしい。
恥ずかしさを上回る快感が押し寄せるから、恥ずかしくなかったと錯覚してしまうのだ。

たとえば、ビキニの水着もレオタードも恥ずかしいのは最初だけで――

「あっ!」
もう、彼が、入ってきた。
まだ濡れかたが足りない。すこし痛い。

「う、うう」

組み敷いて動きを封じた私の中を、じわじわと進む彼。

私におかまいなしの、自分がしたいままの行為だとすれば、十分乱暴かもしれない。

ここで、思い出したように胸に伸びる手。

「あんっ!」

突起をねじられた。もちろん痛い。

でも、これが快感に変わるなら、声が抑えられない……。

「ううう、う、あ、あ、あ、あぁ、だ、だめ、だめ、あ、あ、……」

初めてなのに、合ってしまった裸体のリズム。


最後まで正常位だったが、

男の体重で押さえつけられて苦しい、下手と紙一重のセックスだった。

「ぐっ、うぐっ、う、うう、うう、うぐっ、あん、あんっ」

(もうやめて、やめ……)

その時、唐突に引き抜かれる、それ。

次の瞬間、それは、私の口におさまっていた。

(えっ?!)

口の中にほとばしった。



これも未経験だった。

洗面台で、吐き出した。
顔をそむけて、蛇口をひねった。

裸のまま座り込む私に、彼が近づいてきて、謝った。
全裸のままだったが、彼のどこも見ることができなかった。


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