美保鎮守府NOW-Side B- PART12
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主張してくる傷口を抑えると、3人が心配そうな顔でこちらを見てくる。やれやれ、過保護すぎるってのも気恥ずかしいモンだ。
「それに、後遺症は残らねぇと聞いてるからな。今更過ぎ去った事は悔やまねぇさ、それに知ってるか?人生のツケって奴は、自分の一番苦しい時にまとめて取り立てに来る物らしいぜ?」
これはとある漫画の悪役が言っていた台詞なのだが、読んだ当時はふーんとしか思わなかったが、今になって思うと何とも含蓄のある台詞に思えてしまう。
「だから、お前もあんまり悔やむな。そうしないと人生のツケを取り立てられる時がかなりキツくなるからな」
そう言って頭をポンポンとしてやる。顔がくしゃっと歪んだ加賀は、それを隠すように深々と頭を下げた。地面にはポタポタと水滴の跡が滲む。
「それともお前、ウチに来るか?」
そう言うと加賀の肩の震えが止まり、赤城は驚愕、金剛はこちらをジト目で睨んでくる。
「ま、冗談だ。でももう一度聞くからそれまでに答え出しといてくれや」
じゃあな、と言ってすれ違う形でその場を後にする。もう2〜3日すれば迎えのニ式大艇がやって来る予定だ。
等と油断していたら予定は未定、刻々と変化する物だ。とある筋から俺のケータイに連絡があった。美保に向かう中央からの役人の大艇に乗って呉に飛び、そこからブルネイに帰還して欲しいらしい。慌てて金剛達に荷物を纏めさせ、旅支度を整えた。その後も命令は二転三転、最終的に出発は翌日。午後一番の大艇に乗る事になりそうだ。
翌日。やって来た大艇に乗り込むのはウチの連中と中央からの役人ご一行、それと俺に電話をかけてきたとある筋の要人とそのSP。護衛が居ないように見えて心許ないが、まぁウチの連中がいれば大体どうにかなるだろう。美保鎮守府の連中に見送られ、機内に乗り込むと呉までの道程で酒盛りでもするか、という話で盛り上がっている。発起人は副大臣と呼ばれている軽薄そうな兄ちゃんだ。
「金城提督もどうだい?一杯」
飲む、と言われて断るような俺じゃない。それと同時に青葉の耳元に顔を近付け、
『おい青葉、データの吸出しはパーフェクトだろうな?』
『勿論ですよ。美保鎮守府の隅から隅まで丸裸です』
ならばいい。さぁ前祝いだ、パーっと行こうじゃないか。
「おぉ!そりゃドンペリじゃないか!」
ウチの鎮守府から持ち込んだクーラーボックスから、ガラス瓶が出てくる。本当はデータの拝借が出来たらそのお祝いに、帰り道で飲もうとしていた1本だ。
「グラスは無いんで回し飲みで勘弁してくれよ?」
そう言ってコルクを抜き、グビグビと喉を鳴らして飲む。高い酒だが、俺にとっちゃあジュースと何ら変わらない味だからなぁ。
「ぷはぁっ!ブ
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