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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act4 妖精の国
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本人では無く、ファブリスの口から告げられた。

 「キリト(・・・)君と話した日はSAOの正式配信日の昼前だったんだヨ。あの地獄の始まりの日だから歯切れが悪い言い方なのだろうさ。エギル(・・・)君」
 「俺のプレイヤー名!以前もそうでしたけど、如何して知ってるんですか?」
 「当然の様に俺のも把握してるようですが・・・・・・」
 「そこは情報通と言う事で納得してくれ給え」
 「情報通?と言う事はSAOで言ってたエギルの情報通の知り合いと言うのは・・・」
 「そう、私の事だネ。シクヨロ」

 もう10年以上前に軽く流行った言葉を使うこの老紳士に面喰らうキリト。

 「と。自己紹介で話の腰を折ってすまなかったネ。ささ、私の事は気にせずキリト君に説明してあげたまえよ、エギル君」
 「「・・・・・・・・・」」

 何所までもマイペースで胡散臭い老紳士にキリトは何とも言えない顔をしている様ですが、エギルを見ると苦笑しているのに気が付きました。
 この老紳士はいつもこんな感じなのだと、それだけで察する事が出来ます。
 それにキリトが今ここに居るのは、アスナに似ている画像の件についての事なので、言う通りに従うのが得策と判断しました。

 「―――――と言う訳だ。それでこの写真の提供者が・・・」
 「私と言う事だネ」
 「そうだったんですか。それにしても正規のゲームの中に何でアスナが・・・・・・?」

 そこでALOのソフトのパッケージ裏のメーカー名がレクト・プログレスだと言う事に気付いたキリト。

 「ファブリスさん。これ以外の写真は無いんですか?例えば他の未帰還者達が移っていると言うモノとか」
 「有るかもしれないし、無いかもしれない。先ほど写真の提供者が私だと言ったが、正確にはこの写真を持ってきたのは別の人物でネ。少なくとも私の手元には無いんだヨ」
 「そうですか・・・」
 「・・・・・・(チラッ)」
 「・・・・・・」

 明らかに落胆している表情を見せるキリトに対して、エギルはまだ教えていない情報を教えたい衝動に駆られている様ですが、ファブリスの視線でそれが許されていないことを改めて自覚させられます。
 その2人のやり取りに気付いていないキリトは、顔を上げてエギルを見やりました。

 「エギル、このソフト貰って行ってもいいか?」
 「構わんが・・・・・・まさか行く気なのか?」
 「行動しなきゃ何も変わらない。行って、この目で確かめる。――――死んでもいいゲームなんて温すぎるぜ」

 キリトの言葉には、デスゲームを実際に経験した者とは思えないと言葉であると同時に、余裕を窺わせる感じが有りました。
 エギルは何とも言えない顔になり、ファブリスは横眼でじっと見るだけでした。
 2人の視線を
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