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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0006話『接触と過去への謝罪』
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か君達にはこんな突発的な事が起こらない限りはありえないと思っていたが、もしこんな機会があったなら謝ろうと思っていた。
直接君達には関係ない事だけど俺はしっかりと覚えている…。
俺の未熟さ、そして至らなさで轟沈させてしまったかつてのもう一人の君たちの事を…」

その瞬間、ざわつきがより一層高まった。
そう、この四人は理由はそれぞれ違えど一度は私のミスで轟沈をさせてしまった艦娘達なのだ。

「これは俺の罪だ…。拭いきれるものではない。
だけど誓いたい。今後絶対に君達を轟沈させないと…。
そして信じてほしい…。俺は君達の提督なのだと…」
『………』

全員の声が聞こえなくなった。
だけどそこで今まで顔を伏せていた私に異変が起きる。
突然胸の動悸が早くなってなにかが体から抜け出すような、そんな奇妙な感覚。
でも決して不快なものではない。
これは………?
そしてふと私の頭に誰かの手が乗せられた。
誰の手だと思って思わず顔を上げるとそこには透明な体だけど榛名が微笑みを浮かべながら立っていた。

《提督…》
「榛名、なのか…?」
《はい…》

これはなにかの夢なのかと思ったけど鎮守府の方から金剛の声なのだろう「榛名ーー!?」という叫びが聞こえてきた。
それでこれは白昼夢なのではないと分かった。

《…提督、今までその事を謝りたかったんですよね。榛名は知っています》
「ああ…。一生消えない俺の罪だ」
《はい、確かに。でも、もういいのではないですか?
提督はしっかりと罪を…私達の辛い思い出も一緒に共有してくれている》

そして榛名は鎮守府の方へと体を向ける。

《皆さん、どうか信じてあげてください。この方は私達の提督です。榛名が言うんですから間違いありません!》

両手をグッとして榛名はみんなに叫んだ。
その瞬間だった。
鎮守府の方から何度も「提督ー!」や「司令官ー!」と言った俺を提督と認識してくれた叫び声が聞こえてきたのは。
それで嬉しくなって涙を流してしまった。
そんな涙がつたう私の頬を気付いた榛名は撫でながら、

《提督…。榛名はいつまでも提督と一緒にいます。だって、私と提督は一心同体なんですから…》

そして榛名は最上級の笑みを浮かべながら私の中へと再び入っていってしまった。

「榛名…ありがとう」

そして私達は歓迎されながらも鎮守府の港へと入れさせてもらえたのであった。


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