149部分:第十三話 暖かい風その八
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けられることです」
夜叉姫は姫子に厳かな様子で告げた。
「貴女の戦いを」
「もう白凰には何もされないというのですね」
「勝敗が決したのは明らかです」
「だからですか」
「そうです。しかし我が夜叉と風魔の因縁は別」
「別ですか」
「そうです」
白凰と誠士館、風魔と夜叉のことははっきりと分けていたのであった。表と裏、表裏一体であってもだ。それは分けていたのである。
「それはくれぐれも」
「わかりました。それでは」
「はい。また御会いしましょう」
こう言葉を交えさせたうえで姫子は小次郎、蘭子と共に部屋から姿を消した。三人が校舎を出るとその前に風魔九忍と八将軍がいたのだった。
「勝ったな」
「ああ」
校舎から出た小次郎はまず竜魔の言葉に応えた。彼はここでも右肩に風林火山を担いでいる。
「風魔と夜叉の戦いも今度のは終わったぜ」
「そうか」
「ああ、終わった」
また竜魔の言葉に頷くのだった。
「これでな」
「武蔵の妹が死んだな」
竜魔は次にこのことを急に口に出した。
「わかっていたのかよ」
「感じた」
目を閉じて小次郎に対して頷く。
「そして感じたのは俺だけではない」
「皆もか」
「当然我等もだ」
八将軍を代表して陽炎が言ってきた。
「感じた。武蔵は」
「御前等もかよ」
「いいのか、小次郎」
今度は竜魔から小次郎に尋ねてきた。
「あれで。いいのだな」
「武蔵に止めをささなかったことかよ」
「そうだ。確かにあの男はこれで夜叉を離れる」
報酬が支払われた。傭兵としての契約はこれで終わりだというのは忍の世界では決まっているのだ。
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