第44話<鎮守府の沿革>
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「なるほど」
……と、神戸。気のせいか、どことなく羨ましそうにしている。
彼女は少し資料を手繰った。
「美保には既に三柳陸軍と美保空軍という既存の防衛施設が存在していますから、ここは艦娘の基地だけでも十分、地域防衛が可能だとする政府の判断もあったようです」
「難し……」
ふと呟いた。次第に彼女が青年将校に見えてきた。
だが引いているのは私だけではなかった。呉や舞鶴はもう完全にアップアップしている。神戸も同様か? そんな雰囲気を察した祥高さんは急に慌てたように声の調子を変えた。
「すみません、難しい話は、このくらいにしましょう」
なぜか一同、安堵のため息。いや難しいというか……海軍の作戦参謀たちだろ? この程度の理論に弱くて良いのか? この体たらくじゃ理論面でも敵に負けるぞ。私は自分のことは棚に上げて苦笑するのだった。
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