第43話<お母さんと天職>
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て思った……『彼は彼なりに艦娘のことを考えているのだ』と。
舞鶴の言葉を引き継ぐように私も言った。
「彼女たちは外見の如く精神構造も少女ですから、むしろ私たちは変に構えずとも表裏無く、ただ真っ直ぐ接すれば良い……そう、それだけで良いんじゃないかな? って思います」
一同は改めて頷く。意外にも、あの舞鶴までが同意していた。
……ふと『天職』という単語が思い浮かんできた。もちろんここが私にとって真実にそうだとは、まだ私自身、確信は持てないが。
その後、お茶を入れ替えに執務室に祥高さんが顔を出した。
「司令、残った時間は如何致しましょうか?」
彼女は、お茶を注ぎながらチラッと参謀たちを見回している。
「そうだな……」
私が腕を組んで考えていると呉が助け舟を出した。
「せっかくですから、ここ美保鎮守府内の簡単な案内をして頂くと嬉しいナ、と思いますわ」
すると神戸も相槌を打つ。
「それは私個人的にも是非お願いしたいところです」
「そうですね」
私はチラッと舞鶴を見た。彼は無表情に近いが反対でも無さそうだ。
改めて私は祥高さんに言った。
「では君でも大淀さんでも良いから後で案内を、お願いしても良いかな?」
彼女は少し考えて言う。
「内容は、どのように致しましょうか?」
「そうだな……ここは艦娘だけの鎮守府だから通常の海軍基地とは違う部分を主に説明をして貰ったら良いかな?」
「了解しました」
彼女は軽く敬礼をして退出した。
今日は神戸の新人参謀も居る。それに実は私もまだ、あまり美保鎮守府については詳しく見ていなかったから一石二鳥か。そんなことを考えていた。
午後の美保湾は既に穏やかな海色を取り戻していた。
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