暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
尾行
[9/9]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
抜き取った片手剣を掌で器用に回しながら答える。
「ここは道幅が狭いが、思う存分に戦うには2人のほうがいい」
リーファは改めて2人が携える
諸刃
(
もろは
)
の剣を見やった。確かに狭い橋の上で、味方を気遣いながら戦うのは面倒だろう。特にキリトの持つ大剣は振り回すにはは至難と言える。ヒール役は性分ではなかったが、リーファはコクリと頷き、軽く地面を蹴って橋を遮る岩壁ギリギリの場所まで退いた。どちらにせよ議論している時間はもうない。
キリトとネザーは腰を落とすと体を捻り、巨剣を体の後ろ一杯に引き絞った。津波のような重圧で3人のサラマンダーが迫る。2人の大きいとは言えない体が、ギリギリと音がしそうなほどに
捻転
(
ねんてん
)
していく。蓄積されたエネルギーの揺らぎが眼に見えるようだ。両者の距離は見る見る内に縮まり__
「__せいっ!!」
「__はぁっ!!」
気合一閃、2人は左足をずしんと一歩踏み出すと、青いアタックエフェクト光に包まれた剣を、深紅の重戦士達に向かって横薙ぎに叩きつけた。空気を断ち割る唸り、橋を揺るがす振動、間違いなくかつてリーファが見た中で最大級の威力を秘めた斬撃だった。
__だが。
「えっ……?」
リーファは唖然として眼を見開いた。3人のサラマンダーは武器を振りかぶることもせず、ギュッと密集すると右手の盾を前面に突き出し、その陰に体を隠したのだ。
ガァーン!!という大音響を轟かせ、ネザーとキリトの剣が並んだタワーシールドの表面を一文字に
薙
(
な
)
いだ。ビリビリと空気が震え、湖面に大きな波紋が広がった。しかし重戦士達は、わずかに後方に押し動かさただけで2人の攻撃を耐え切った。
リーファは慌ててサラマンダー達のHPバーを確認した。揃って1割以上現象している。だがそれも束の間、次の瞬間戦士達の後方から立て続けにスペル詠唱音が響き、3人の前衛の体を水色の光が包んだ。ヒールの
重唱
(
じゅうしょう
)
でHPバーが瞬時にフル回転する。そして、直後__。
鋼鉄の城壁にも似た大型シールドの後背から、オレンジ色に光る火球が次々に発射され、大空洞の天井一杯に無数の孤を引いて降り注ぎ、2人の立つ場所に炸裂した。
湖面を真っ赤に染めるほどの爆発が巻き起こり、小さな黒衣と紫衣の姿を飲み込んだ。
「キリト君!!ネザーさん!!」
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ