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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
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。時を同じくしてキリトの横でネザーが停止した途端、スプリガンの少年は恨めしい顔で立ち上がった。
「もっと速く言ってくれれば……」
「速さで全てを解決できるなら苦労しねぇよ」
文句を聞いたネザーが呆れ顔を浮かべる中、リーファは眼前の岩壁について説明する。
「これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れないわ。攻撃魔法をいっぱい撃ち込めば破壊できるけど……」
「そんな余裕はなさそうだな」
並んで背後を振り返ると、血の色に輝く鎧を纏った集団の先頭が橋の
袂
(
たもと
)
に差し掛かるところだった。
「飛んで回り込むのは……無理があるな」
「湖に飛び込むのはありか?」
キリトの提案にリーファは首を横に振る。
「なし。さっきも言ったけど、ここには超高レベルの水竜型モンスターが潜んでるらしいわ。ウンディーネの援護なしに水中戦をするのは自殺行為よ」
「じゃあ戦うしかないわけか」
「面倒臭いことになったものだな」
巨剣をガシャリと構え直したキリトと、後から片手剣を抜き取ったネザーに向かって、リーファは頷きつつ唇を噛んだ。
「それしかない……んだけど、ちょっとヤバイかもよ……。サラマンダーがこんな高位の土魔法を使えるってことは、よほど手練れのメイジが混ざってるんだわ……」
橋の幅が狭いため、多数の敵に一方的に包囲殲滅されるという最悪の展開は避けられそうだった。しかしそもそも12対3という圧倒的に不利な戦力差の上、このダンジョン内では飛ぶことができない。リーファの得意な空中での乱戦に持ち込むことができないのだ。
全ては個々の数がどれほどの戦闘力を持っているかにかかっている。
__それもあんまり期待できそうにないかも……。
内心で呟きながら、リーファは2人に挟まれる形で隣に立つと長刀を抜いた。重い金属音を響かせながら接近してくる敵集団はもうはっきりと目視できる。先頭、横一列に並んだ巨漢のサラマンダー3人は、先日戦った連中よりも一回り分厚いアーマーに身を固め、左手にメイスなどの片手武器、右手に巨大な金属盾を
携
(
たずさ
)
えている。
それを見て、リーファは一瞬訝しく思った。ALO内での利き腕は現実世界と同じなので、サウスポーのプレイヤーはやはり少ないはずなのだ。
だがその疑問を口にする前に、隣に立つキリトがリーファをちらりと見て、言った。
「リーファ、キミの腕を信用してないわけじゃないんだけど……ここはサポートに回ってもらえないか?」
「え?」
「サラマンダーの相手は俺とネザーでやる。キミは後ろから回復役に徹してほしいんだ。そのほうが俺達も思い切り戦えるしな。それでいいよな、ネザー」
ちらりとネザーの横顔を見ながらキリトは問う。
「ああ、異存はない」
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