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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アルンへの旅路
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「……まぁな」

心の奥底に仕舞い込んでいたはずの記憶が、どういうわけか蘇った。このタイミングで思い出したことに俺は少なからず疑問を抱いたが、同時に__まるで《彼》が俺に、黒衣の少年を最後まで手伝ってほしい、と伝えてるような気がした。

「……何か辛気臭くなったな」

そう言うとキリトはウィンドウを開き、緑色のストロー状のアイテムを2本実体化させた。

「何だそれ?」

「雑貨屋でちょっとな。スイルベーン特産だとよ。ほら」

1つを自分の口に咥え、もう1つを俺に投げ渡した。俺はそれをしばらく観察をし、キリトと同じように口に咥える。それで息を吸い込むと薄荷(はっか)の香りがした。











「お待たせ!モンスター出なかった?」

待機姿勢__しゃがみ込んだ格好__から立ち上がり、リーファの精神が仮想世界のアバターに戻った。首を回すと、傍らに寝転がっていたキリトと、周りを警戒しながら立ち尽くすネザーの2人が見て取れた。

キリトは口からストロー状のものを離し、頷いた。

「おかえり。静かなもんだったよ」

「それ、何?」

「雑貨屋で買ったんだけど……スイルベーン特産だってNPCが言ってたぜ」

「あたし知らないよ、そんなの」

するとキリトがそれをひょいっと放ってきた。片手で受け止め、ドギマギする心を素知らぬ顔で隠して端っこを咥える。一息吸うと、甘い薄荷(はっか)の香りがする空気が口に広がった。

「じゃ、今度は俺達が落ちる番だな」

「俺はいい。お前1人で落ちろ」

キリトの言う《俺達》には自分も含まれていることを咄嗟に悟った俺は、すぐさま拒否した。

「いいのか、飯とは食わなくて?」

「飯は済ませてある。それに、いつ敵が来るかもわからないしな」

「わかった。じゃあ頼んだ」

そう言ってキリトは即座にウィンドウを出し、ログアウトすると、自動的にその体が待機姿勢を取った。

「本当に大丈夫なんですか?」

残されたリーファが訊ねる。

「問題ない。黙ってそいつを見張ってろ」

冷徹に言い切り、リーファから遠ざかって再び辺りを警戒する。

ぶっきらぼうな言い回しに少々怯えるリーファは、空になったキリトのアバターの隣に腰を下ろし、ぼんやりと空を眺めながら薄荷味のパイプを吸っていると、キリトの胸ポケットからもぞもぞと小妖精が姿を現してリーファを仰天させた。

「わぁ!……あ、あなた、ご主人様がいなくても動けるの?」

するとユイは当然といった顔で小さな手を腰にあて、頷いた。

「そりゃそうですよー。わたしはわたしですから。それと、ご主人様じゃなくて、パパです」

「そういえば……なんであなたはキリト君
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