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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アルンへの旅路
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は……。俺は戸惑いを感じながらも、どう応じるべきか
沈思
(
ちんし
)
した。
「……お前の……アスナを取り戻そうとする行動に興味が湧いた……っというのも理由の1つかな……」
「興味?」
「アスナがこの世界にいる確証なんて、何1つ存在しない。だがお前は……わずかな手掛かりだけで行動した。俺に言わせれば……非論理的だ」
「………」
合理的な物言いだが、ネザーらしい言い分だと納得していた。
「もしそれが、お前の強さの源なら……お前と共に行く。そしてお前も見定める。そう思った」
「見定めるって……これはテストか何かか?」
「別に。俺はただ、お前のその身に
漲
(
みなぎ
)
る強さが気になってるだけだ」
この時、キリトは思った。なぜネザーは__人同士の絆を否定するのか。
思い返してみれば、ネザーはこれまでずっと誰かと親密になったことがない。ただでさえ他人とロクに話さない彼は、恐怖の対象として見られることが多かった。愛や友情を拒絶し、遠ざけ、自分の殻に閉じ籠もろうとする。
自ら悪役を買って出るのは何か意味があっての行為だと考えてきたが、実際はキリトが考えるほど単純ではないのかもしれない。SAOをクリアした英雄の称号を得ても、ネザーはその呼び名さえ否定する始末。
「どうしてお前は、そうやって人との関係を否定するような考え方なんだ?」
気を張り詰める思いでキリトは質問した。
「……アスナと出会ってからのお前は……変わった。そして考え方が……甘すぎる」
「甘いって……」
「ソロプレイヤーを続けてきたお前ならわかるはずだ。孤独こそが己を磨き、強さこそが己を制する。弱肉強食の世界に、正義も悪もない。ただ強い者が生き残るという結果だけだ」
「………」
そうかもしれない__。
一瞬、そう発言しそうになったが、口を抑えて取り止めた。
ネザーの言ったことは、ある意味正論だった。SAOの強さの基準は、レベルやスキル、強化武器の入手。それらがプレイヤーとしての強さを極め、生存率を上げてきた。キリトが《二刀流スキル》を入手できたのも、その基準値を超えたからこそだ。基数によってアインクラッドを制御していたカーディナルシステムならではの奇跡、と言ったところだろう。
「……お前の言ってることは、正しいとは思うよ。お前に比べれば……俺は甘い。お前ほど強い人間でもないけど……それは弱いってことにはならない」
最後の一言を聞いた途端__。
「……ああ、その通りだ」
「え?」
「人は人を愛すると弱くなる。だが……恥じることではない。弱さを知る人間だけが……本当の強さの意味を知っている」
突然の名言染みた言葉に、キリトは眼を丸くした。
「それ……何かの受け売りか?
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