暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アルンへの旅路
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いいじゃない」

「ごめーん。忘れてた」

ガクリと肩を落としたレコンは、気を取り直したように顔を上げるといつになく真剣な顔で言った。

「リーファちゃん、パーティー抜けたんだって?」

「ん……。その場の勢い半分だけどね。あんたはどうするの?」

「決まってるじゃない。この剣はリーファちゃんだけに捧げてるんだから」

「えー、別にいらない」

リーファの言葉に再びレコンはよろけたが、この程度でめげるような彼ではない。

「ま、まあそういうわけだから当然僕もついていく……と言いたいとこだけど、ちょっと気になることがあるんだよね」

「……何?」

「まだ確証はないんだけど……少し調べたいから、僕はもうしばらくシグルドのパーティーに残るよ。__ネザーさん、キリトさん」

レコンは、彼にしては最大限に真面目な様子で2人に向き直った。

「彼女、トラブルに飛び込んでく癖があるんで、気をつけてくださいね」

「あ、ああ、わかった」

「……こいつも似たようなものだけどな」

どこか面白がっているような表情で頷くキリトとは裏腹に、ネザーは周りに聞こえない程度の小声で彼の悪口を呟いた。

「それから、2人に言っておきますけど、彼女は僕のンギャッ!」

語尾の悲鳴はリーファが思い切りレコンの足を踏みつけたことによるものだ。

「余計なこと言わなくていいのよ!しばらく中立場にいると思うから、何かあったらメールでね!」

早口でまくし立てると、リーファは翅を広げ、フワリと浮き上がった。名残(なごり)()しそうな顔のレコンに向かって、大きく右手を振る。

「……あたしがいなくても、ちゃんと随意飛行の練習すんのよ。後、あんまサラマンダー領に近づいたらダメよ!じゃあ!」

「り……リーファちゃんも元気でね!すぐ追いかけるからね!!」

と涙を滲ませて叫ぶアバターの中身とはどうせすぐに学校で会うというのに、それなりの別れの感慨がこみ上げてきてしまって、リーファは慌ててクルリと向きを変えた。北東の方角を見据え、翅を広角に固定して滑空(かっくう)を始める。

すぐに隣に追いついてきたとキリトが、笑いを押し殺したような表情のまま言った。

「彼、リアルでも友達なんだって?」

「……まあ、一応」

「ふぅん」

「……何よ、そのふぅんってのは?」

「いや、いいなあと思ってさ」

キリトに続けて、彼の胸ポケットからピクシーも言った。

「あの人の感情は理解できます。好きなんですね、リーファさんのこと。リーファさんはどうなんですか?」

「し、知らないわよ!!」

つい大声で叫んでしまい、リーファは照れ隠しにスピードを上げた。レコンの直球な態度にはいい加減慣れて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ