暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
脱領
[8/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
とシグルドの間に割って入り、自分より頭1つ分ほども背の高い男に向き合った。
「他のプレイヤーを、あんたの大事な剣や鎧みたいに、装備欄にロックしておくことはできないって言ったのさ」
「きっ……貴様っ……!!」
キリトのストレートな言葉に、シグルドの頭が瞬時に赤く染まった。肩から下がった長いマントをバサリと巻き上げ、剣の柄に手をかける。
「
屑
(
くず
)
漁
(
あさ
)
りのスプリガン風情がつけあがるな!」
そこまで言った途端、沈黙を貫き通していたリーファの隣からシュッという静音が流れ、気がつくとネザーがキリトの前に立っていた。
「うっ……!?」
自分の目の前に突然現れたネザーに、シグルドは驚きを隠せずにいた。
「こいつを斬るつもりなら、まずは俺が相手になるぜ」
ネザーは片手剣の柄を掴みながらも冷静な声を放つが、口から飛び出す言葉は相手を煽るような怖い台詞。
「スプリガンの次はインプか。腹黒い種族が2人とは、お似合いだな。どうせ領地を追放された《レネゲイド》どもだろうが!」
ネザーの登場が引き金になったかのように、今にも
抜刀
(
ばっとう
)
しそうな勢いでまくし立てるシグルドの台詞に、ついカッとしたリーファも思わず叫び返した。
「失礼なこと言わないで!その2人は、あたしの新しい仲間よ!」
「なん……だと……」
額に青筋を立てながらも、シグルドは声に驚愕を滲ませて唸った。
その言葉に、リーファはハッとして眼を見開いた。
ALOプレイヤーは、そのプレイスタイルによって大きく二種に別れる。
1つは、今までのリーファやシグルドのように領地を本拠西て同種族のパーティーを組み、稼いだ金の一部を
執政
(
しっせい
)
部に上納して、種族の勢力を発展させようとするグループ。もう1つが、領地を出て中立都市を本拠とし、異種族間でパーティーを組んでゲーム攻略を行うグループだ。前者は後者を目的意識に欠けるとして
蔑視
(
べっし
)
することが多く、領地を捨てた__自発的、あるいは領主に追放された場合を問わず__プレイヤーを
脱領者
(
レネゲイド
)
と呼称している。
リーファの場合は、共同体としてのシルフ族への帰属意識は低いのだが、スイルベーンが気に入っていることと、後の半分は
惰性
(
だせい
)
で領地に留まり続けていた。だが今シグルドの言葉によって、リーファの中に、解き放たれたいという欲求が急速に浮かび上がってきたのだった。
「ええ……そうよ。あたし、ここを出るわ」
口をついて出たのは、その一言だった。
シグルドは唇を歪め、食い縛った歯をわずかに剥き出すと、いきなりブロードソードを抜き放った。燃えるような眼でネザーとキリトをねめつける。
「……小虫が這い回るくらいは捨て置こうと思ったが、泥棒の真似事と
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ