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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
脱領
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らい)する。
シグルドのパーティーに参加してしばらく経った頃、リーファの相方扱いで同時にメンバーになったレコンが、いつになく真面目な顔で忠告してきたことがあったのだ。
このパーティーに深入りするのはやめたほうがいいかもしれない、と彼は言った。理由を訊くと、シグルドはリーファを戦力としてスカウトしたのではなく、自分のパーティーのブランドを高める付加価値としてほしがったのではないか__更に言えば、自分に勝ったリーファを仲間、というより部下としてアピールすることで勇名の
失墜
(
しっつい
)
を防いだつもりなのではないか、と。
まさかそんな、と笑い飛ばしたリーファに向かってレコンは
力説
(
りきせつ
)
したものだ。
曰
(
いわ
)
く__ALOのようなハード志向のMMOでは女性プレイヤーは
希少
(
きしょう
)
な存在であり、それ故に戦力としてよりアイドルとして求められる傾向にあり、ましてリーファのような可愛い女の子は
伝説
(
レジェンダリー
)
武具
(
ウェポン
)
以上にレアであり見せびらかし用にほしがられて当然なのであり中にはそれ以上の下心を抱いている者も多い。
リーファも一応真剣に考えてみたのであるが、自分がアイドル扱いされているなどという状況にはどうにも現実感がわかなかったし、ただでさえ覚えるべきことの多いMMORPGが更にややこしくなりそうだったので、それ以上考えるのをやめ、今日までさして大きな問題もなくパーティープレイをこなしてきたのだったが__。
怒りと苛立ちを滲ませて立つシグルドの前で、リーファは全身に重苦しく絡みつくしがらみの糸を感じていた。ALOに求めているのは、全ての束縛から脱して飛翔するあの感覚だけ。何もかも振り切って、どこまでも飛びたいと、それだけを望んでいるのに。
しかし、それは無知ゆえの甘さだったのだろうか。全ての人が翅を持つこの仮想世界なら、現実世界の重力を忘れられると思ったのはただの幻想だったのだろうか。
リーファ/直葉は、小学校の頃よく自分をいじめた剣道部の上級生のことを思い出していた。入門して以来道場で敵なしだったのが、いつしか年下でその上女の直葉に試合で勝てなくなってしまい、その報復として帰り道で仲間数名と待ち伏せては
卑小
(
ひしょう
)
な嫌がらせを行った。そんな時、その上級生の口元は、今のシグルドと良く似た
憤懣
(
ふんまん
)
に強張っていたものだ。
結局、ここも同じなのか__。
失望に囚われ、リーファが俯いた、その時だった。背後に下がり、影のように気配を殺していたキリトが、ボソリと呟いた。
「仲間はアイテムじゃないぜ」
「え……?」
その言葉の意味が咄嗟に掴めず、リーファは眼を見開きながら振り向いた。同時にシグルドが唸り声を上げた。
「……なんだと……?」
キリトは一歩踏み出すと、リーファ
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