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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
スイルベーン
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途中で強いモンスターもいっぱい出るし、そりゃ2人も強いけど……」

あっ、と思った時にはもう口が勝手に動いていた。

「…………じゃあ、あたしが連れてってあげる」

「「え……」」

俺とキリトの眼が丸くなる。

「いや、でも、会ったばかりの人にそこまで世話になるわけには……」

「見ず知らずの俺らと一緒にわざわざ同行することは……」

「いいの、もう決めたの!!」

時間差でかあっと熱くなってきた頬を隠すようにリーファは顔を(そむ)けた。ALOには、翅があるかわりに瞬間移動手段は一切存在しない。世界樹が存在するアルヴヘイムの央都《アルン》まで行くのは、現実世界での小旅行に匹敵(ひってき)するほどの旅となる。なのに、まだ出会って数時間の少年2人に同行を申し出るとは、自分でも信じられない行動だった。

でも__なぜか放っておけなかった。

「あの、明日も入れる?」

「あ、う、うん」

「問題ない」

「じゃあ午後3時にここでね。あたし、もう落ちなきゃいけないから、あの、ログアウトには上の宿屋を使ってね。じゃあ、また明日ね!」

立て続けに言うと、リーファは左手を振ってウィンドウを出した。シルフ領内ではどこでも即時ログアウトが可能なので、そのままボタンに触れる。

「あ、待って!」

声に顔を上げると、キリトはにこり笑いながら言った。

「……ありがとう」

リーファもどうにか笑みを浮かべ、コクリと一回頷くと、OKボタンを押した。世界が虹色の光に包まれ、次いでブラックアウトした。リーファとしての肉体感覚が徐々に薄れる中、頬の熱さと心臓の鼓動だけが最後まで残っていた。











__ゆっくりと瞼を開ける。

見慣れた自室の天井、そこに貼った大きなポスターが眼に飛び込んでくる。B全版に引き伸ばし、プリントしてもらったスクリーンショットだ。無限の空をゆく鳥の群、その中央に長いポニーテールをなびかせて飛翔する妖精の少女が写っている。

《桐ヶ谷直葉》は両手を上げ、ゆっくりと頭からアミュスフィアを外した。2つのリングが並んだ円冠状のその機械は、初代ナーブギアと比べるとあまりに華奢だが、その分拘束具めいた印象は減っている。

仮想世界から戻っても、頬の()()りは消えていなかった。直葉(すぐは)はベッドの上で上体を起こすと、おもむろに両手で顔を挟み込み、胸の奥で無言の喚き声を上げた。

……うわ____!

今更だが、自分の行動にとてつもない気恥ずかしさが込み上げてくる。以前から、リーファでいる時の直葉は大胆差が5割増しだとレコンこと同級生の《長田(ながた)慎一(しんいち)》に言われていたが、今日のは極め付きだった。両足をバタバタさせな
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