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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
スイルベーン
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また飛び退る。

「何かのコントか?」

「コントじゃないって!大丈夫なのリーファちゃん!?2種族のスパイとかじゃないの!?」

「あたしも最初は疑ったんだけどね。ネザーさんはともかく、キリト君はスパイにしてはちょっと天然ボケ入りすぎてるしね」

「あっ、ひでぇ!」

「俺はスパイに見えるのかよ。……まあ、否定はしないが」

あははは、と笑うリーファを、レコンはしばらく疑わしそうな眼で見ていたが、やがて咳払いして言った。

「リーファちゃん、シグルド達は先に《水仙館(すいせんかん)》で席取ってるから、分配はそこでやろうって」

「あ、そっか。うーん……」

キャラクターの所持している非装備アイテムは、敵プレイヤーに殺されるとランダムに30パーセントが奪われてしまうが、パーティーを組んでいる場合に限って保険枠というものがあり、そこに入れているアイテムは死亡しても自動的に仲間に転送されるようになっている。

リーファ達も今日の狩りで入手したアイテムのうち価値のあるものは保険扱いにしておいたので、最終的にはリーファが全ての稼ぎを預かることとなり、サラマンダー連中もそれを知っている故にしつこく追ってきたわけだが、キリトとネザーの助力によって全てをスイルベーンまで持ち帰ることができた。

このような場合は、死亡して先に転送された仲間と馴染みの店で改めてアイテム分配をするのが慣例(かんれい)となってい
たが、リーファは少々悩んだすえにレコンに言った。

「あたし、今日の分配はいいわ。スキルに合ったアイテムもなかったしね。あんたに預けるから4人で分けて」

「へ……リーファちゃんは来ないの?」

「うん。お礼に2人に一杯奢る約束してるんだ」

「………」

先ほどは多少色合いの異なる警戒心を滲ませながらレコンが2人を見る。

「ちょっと、妙な(かん)()りしないでよね」

リーファはレコンのつま先をブーツでこつんと蹴っておいて、トレードウィンドウを出すと稼いだアイテムの全てを転送した。

「次の狩りの時間とか決まったらメールしといて。行けそうだったら参加するからさ、じゃあ、おつかれ!」

「あ、リーファちゃん……」

なんだか照れ臭くなってきてしまったリーファは、強引に会話を打ち切るとキリトと俺の袖を引っ張って歩き出した。





「さっきの子は、リーファの彼氏?」

「恋人さんなんですか?」

「はぁ!?」

キリトと、その肩口から顔を出したユイに異口同音に訊ねられ、リーファは思わず石畳に足を引っ掛けた。慌てて翅を広げて体勢を立て直す。

「ち、違うわよ!パーティーメンバーよ、単なる」

「それにしちゃずいぶん仲良さそうだったよ」

「リアル
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