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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
スイルベーン
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ら君も覚えたほうがいいよ」

「へぇ、種族によって魔法の得手不得手があるのか。ちなみにスプリガンとインプは何が得意なんだ?」

「インプは闇魔法、それに暗視と暗中飛行に長けた種族だから、夜や洞窟みたいな暗い場所での戦闘に役立つよ」

「ほお、良いこと聞いたぜ」

珍しく俺は、自分が選んだ種族に関心した。

「スプリガンはトレジャーハント関連と幻惑魔法かな。どっちも戦闘には不向きなんで不人気種族ナンバーワンなんだよね」

「うへ、やっぱり下調べは大事だな」

「情報は大事だろ。前の世界で散々学んだはずだろ」

俺が呆れたように言うと、キリトは真剣な顔で頷き、顔を竦めながら立ち上がった。大きく一つ伸びをして、周囲にぐるりと視線を向ける。

「おお、ここがシルフの街かぁ。綺麗な所だなぁ」

「でしょ!」

リーファも改めて住み慣れたホームタウンを眺める。

スイルベーンは、別名《翡翠(かわせみ)の都》と呼ばれている。華奢な尖塔群が空中回廊で複雑に繋がり合って構成される街並みは、色合いの差こそあれ(みな)(つや)やかなジェイドグリーンに輝き、それらが夜間の中に浮かび上がる有様は幻想的の一言だ。ことに、風の塔の裏手に広がる《領主館》の壮麗(そうれい)さは、アルヴヘイムのどんな建物にも引けを取らないとリーファは信じている。

3人と1人が声もなく光の街を行き交う人々に見入っていると、不意に右手から声をかける者がいた。

「リーファちゃん!無事だったんだね!」

顔を向けると、手をぶんぶん振りながら近寄ってくる黄緑色の髪の少年シルフが見えた。

「あ、レコン。うん、どうにかね」

リーファの前で立ち止まったレコンは眼を輝かせながら言った。

「すごいや、あれだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん……って……」

今更のようにリーファの傍らに立つ黒衣のスプリガンと紫衣のインプの人影に気づき、口を開けたまま数秒間立ち尽くす。

「な……スプリガンにインプじゃないか!?なんで……!?」

飛び退(しさ)り、腰のダガーに手をかけようとするレコンをリーファは慌てて制した。

「あ、いいのよレコン。この人達が助けてくれたの」

「へっ……」

唖然とするレコンを指差し、俺とキリトに言う。

「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、2人と出会う前にサラマンダーにやられちゃったんだ」

「鈍い奴だな」

「そう言うなよ。よろしく、俺はキリト。こっちはネザーだ」

俺の毒舌を制したキリトが、レコンに手を差し出しながら挨拶した。

「あっ、どもども」

レコンはキリトの差し出す手右手を握り、ペコリと頭を下げてから、

「いやそうじゃなくて……」


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