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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
風妖精との出会い
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トとは違い、俺に対しては気高い目上な男として見ているようだ。

寝所(ねどこ)と情報が得られるなら、どこでも構わない」

あっさりと答えられ、全員が了承ということになった。

「じゃあ、スイルベーンまで飛ぶよ。そろそろ賑やかになってくる時間だわ」

ウィンドウをちらりと確認すると、リアル時間は午後4時になったところだ。まだもう少し潜っていられる。

リーファは飛翔力がかなり回復し、輝きの戻った翅を広げて軽く震わせ、続いて俺も翅を広げた。するとキリトが首を傾げながら言った。

「あれ、2人はコントローラーなしで飛べるの?」

「あ、まあね。でもネザーさん、初心者って割にはうまく飛べてましたね。さっきここに着地する時なんか」

「何となくできただけだ」

実を言うと、俺がコントローラーなしで飛べたのは、翅を動かす感覚が、カブトの時に使う翅を制御する感覚に似ているからだ。

「キリト君はどう?」

「ちょっと前にこいつの使い方を知ったところだからなぁ」

キリトは左手を動かす仕草をする。

「そっか。随意(ずいい)飛行はコツがあるからね、できる人はすぐできるんだけど……試してみよう。コントローラーを出さずに、後ろ向いてみて」

「あ、ああ」

リーファはクルリと体を半回転させたキリトの背中に両手の人差し指を伸ばし、肩甲骨(けんこうこつ)の少し上に触れる。

「今触ってるの、わかる?」

「うん」

「あのね、随意(ずいい)飛行って呼ばれてはいるけど、本当にイメージ力だけで飛ぶわけじゃないの。ここんとこから、仮想の骨と筋肉が伸びてると想定して、それを動かすの」

「……仮想の骨と、筋肉……」

あやふやな声で繰り返すキリトの肩甲骨(けんこうこつ)がピクピクと動く。その頂点から、黒い服を貫いて伸びる実体のない灰色の羽根が、動きに同期して小刻みに震える。

「おっ、そうよ、そんな感じ。最初は思い切って肩や背中の筋肉を動かして、羽根と連動する感覚を掴んで!」

言った途端、少年の背中がギュッと内側に収縮(しゅうしゅく)した。羽根の振動がピッチを上げ、ヒィィィン、という音が生まれる。

「そう、そのまま!今の動きをもう一度、もっと強く!」

「むむむ……」

キリトが唸りながら両腕をグイッと引き絞った。充分な権力が生まれたと感じた瞬間、リーファはどんっと思い切りその背中を押し上げた。

「うわっ!?」

途端、スプリガンはロケットのように真上へと飛び出した。

「うわあああぁぁぁー」

キリトの体はたちまち小さくなり、悲鳴も遠ざかる。バサバサと葉を鳴らす音がしたと思うとあっという間に 梢こずえの彼方へと消えていった

「………」

リーファは、自分の
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