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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
風妖精との出会い
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ンダーのHPバーは、全快状態でこそなかったものの、まだ半分は残っていた。それを一撃で吹き消すとは
尋常
(
じんじょう
)
ではない。
ALOに於いて、攻撃ダメージの算出式はそれほど複雑なものではない。武器自体の威力、ヒット位置、攻撃スピード、それだけだ。この場合、武器の威力はほぼ最低、それに対してサラマンダーの装甲はかなりの高レベルだったと思われる。つまりそれをあっさり
覆
(
くつがえ
)
すほど少年の攻撃精度と、何よりもスピードが脅威的だったというわけだ。
インプは再びゆっくりとした動作で体を起こすと、上空でホバリングしたままのサラマンダーのリーダーを見上げ、口を開く。
「……俺に斬られるか、逃げるか。どちらか選びな」
あまりに緊張を感じさせるほどの怖い言葉に、我に返ったサラマンダーが苦笑する気配がした。
「なら、逃げるほうを選ぶよ。もうちょっとで魔法スキルが900なんだ。
死亡罰則
(
デスペナ
)
が惜しい」
「なら消え失せろ。消え失せられる内にな」
インプが短く言う。リーファに視線を向け、口を開く。
「お前は?奴と戦うなら邪魔はしない」
乱入して大暴れしておきながらこの言い草にはリーファは苦笑いするしかなかった。刺し違えても1人は倒すという気負いがいつの間にか抜けてしまっていた。
「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん」
「正直、君ともタイマンで勝てる気はしないけどね」
言うと、赤い重戦士は翅を広げ、
燐光
(
りんこう
)
を残して飛び立った。がさり、と1回樹の
梢
(
こずえ
)
を揺らし、暗い夜空へ溶け去るように遠ざかっていく。あとにはリーファと黒衣の少年、紫衣の少年、2つの赤いリメインライトだけが残された。それらも1分が経過すると共にフッと消えた。
リーファは再びわずかに緊張しながら、2人の少年の顔を見た。
「……で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも戦う?」
インプの少年が剣をサッと左右に切り払うと、背中の鞘にカチンと音を立てて収めた。
途端、隣に立っていたスプリガンの少年が口を開いた。
「うーん、俺的には正義の騎士がお姫様を助けた、っていう感じなんだけどな」
片腹でニヤリと笑う。
「感激したお姫様が涙ながらに抱きついてくる的な……」
「ば、バッカじゃないの!!」
リーファは思わず叫んでいた。顔がカアッと熱くなる。
「なら戦ったほうがマシだわ!!」
「ははは、冗談冗談」
いかにも楽しそうに笑う少年に、傍らのインプは大いに呆れ、ため息を出した。
リーファはスプリガンにどう言い返してやろうかと必死に考えていると、不意にどこからともなく声がした。
「そ、そうですよ!!そんなのダ
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