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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
妖精の世界
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置換で5キロメートルはあります」
「アインクラッド基部の直径の5倍はあるな。……そういえば、なぜ俺とキリトはこんな森にログインしたんだ?それぞれのホームタウンに転送されるはずだったんだが……」
俺が当然の疑問を口にすると、ユイもキュッと首を
傾
(
かし
)
げた。
「さあ……位置情報が破損したのか、あるいは
近傍
(
きんぼう
)
の経路からダイブしているプレイヤーと
混信
(
こんしん
)
したのか、何とも言えません」
「どうせなら、世界樹の付近に落ちたかったものだ」
「それは言えてる。……そういえば、ここでは飛べるって聞いたなぁ……」
キリトは立ち上がり、首を捻って肩越しに覗き込んだ。
「おお、羽根がある」
背中から、グレーに透き通る鋭い流線型の羽根__というよりも昆虫の
翅
(
はね
)
と言うべきものが伸びている。だが動かし方がさっぱりわからなかった。
「どうやって飛ぶんだ?」
「説明書によれば、背中の筋肉を動かす感じ、とあったが……」
俺はALOにログインする前に説明書を読んだ。当然、妖精プレイヤーの飛び方も載っていた。
「背中を筋肉を動かす、ね」
「パパ、翅の制御には補助コントローラーもあるようなので、まずはそちらを試してみたほうがいいですよ。左手を立てて、握るような形を作ってみてください」
再び肩に乗ったユイの言葉に従って、キリトは手を動かした。するとその中に、簡単なジョイスティック状のオブジェクトが出現した。
「えと、手前に引くと上昇、押し倒すと降下、左右で
旋回
(
せんかい
)
、ボタン押し込みで加速、話すと減速となっています」
「なるほど」
キリトはスティックをゆっくり手前に倒してみた。すると、背中の翅がピンと伸び、ぼんやりとした
燐光
(
りんこう
)
を放ち始める。そのままスティックを引き続ける。
「おっ」
不意に、体がフワリと浮いた。ゆっくりとした速度で森の中を上昇していく。1メートルほど浮いたところでニュートラルに戻し、今度は天辺の球を押し込んだ。すると体が滑るように前方に移動していく。
下降や旋回を試すうち、キリトはすぐに操作を呑み込むことができた。かつて遊んだ飛行系VRゲームに比べれば相当に単純な操作系だ。
「なるほど、大体わかった。とりあえず基本的な情報が欲しいよな……。一番近くの街ってどこかな?」
「西のほうに《スイルベーン》という街がありますね。そこが一番……、あっ……」
突然ユイが頭を上げた。
「どうした?」
「プレイヤーが近づいてきます。何人かが1人を追っているようですが……」
「3人だ」
「「え?」」
不意に口を挟んだ俺に、キリトとユイが眼を向けた。
「3人が1人を追っている。1人は《シルフ》で……
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