暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
新たな冒険
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ためのX線装置、放射線を利用して物体を走査しコンピューターを用いて処理するCT装置、身体の内部情報を画像にするMRI装置までも設置されている。これほど最新の医療機器を取り揃えた《メディカルルーム》は、どう見ても本格的な病院施設としか言えない。

あらゆる事態に対処できる設備と装備を取り揃えた基地で、早速ALOへのダイブを準備する。

パッケージを開封して小さなROMカードを取り出し、ナーブギアの電源を入れ、スロットにカードを挿入する。数秒で主インジケータが点滅から点灯へと変わる。俺は手術台にも見て取れるベッドに横たわり、両手でナーブギアを目の前に持ち上げた。

かつて濃紺に輝いていたその機械は、今や塗装があちこち剥げ落ち、傷ついている。このマシンの危険性は俺が一番理解してる。これは俺が開発に携わった代物であり、俺を2年間も捕縛(ほばく)した(かせ)であるが、同時に俺の中の欠けた何かを埋めてくれた道でもある。

……また、お前が必要になるな。

胸の奥で呟き、俺は因縁の装置を頭に装着した。顎の下でハーネスをロックし、シールドを降ろして眼を閉じる。

そして異世界に飛び込む際に言う、あの言葉を吐いた。

「リンク・スタート」





閉じた(まぶた)を透かして届いていた(おぼろ)な光が、さっと消えた。視神経からの入力がキャンセルされ、真の暗闇が俺を包んだ。

しかしすぐに、眼の前に虹色の光が(はじ)けた。不定形の光はナーブギアのロゴマークに形を変え始める。最初はぼんやりと(にじ)んでいたそれが、脳の視覚野(しかくや)との接続は確立されるにつれてクリアに浮き上がる。やがて、ロゴの下に視覚接続OKのメッセージが小さく表示される。

次はどこか遠くから、奇妙な多重音が近づいてくる。歪んだサウンドもまた、徐々に美しい和音へとピッチを変え、最後に荘重(そうちょう)な起動サウンドを(かな)でて消える。聴覚接続OKのメッセージ。

セットアップステージは、次に体表面感覚へと移り、重力感覚へと進み、ベッドの感触と体の重さが消える。その他、各種感覚の接続テストが1つ1つ実施され、OKマークが増えていく。いずれフルダイブ技術が進歩すれば、人の記憶を操作することも可能ではないか、と思わず考えてしまいそうだ。

そしてついに最後のOKメッセージがフラッシュし、次の瞬間、俺は暗闇の中をまっすぐに落下した。やがて下方向から虹色の光が近づき、そのリングを潜った俺の仮想の足が、すとんと異世界に着陸する。

頭上に《Welcome to Alfheim Online》というロゴが描き出され、同時に柔らかい女性の声でウェルカムメッセージが響き渡る。

『アルヴヘイム・オンラインへようこそ』

胸の高さに青白く光るホロ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ