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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
新たな冒険
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順に5人が肩車して、多段ロケット式で樹の枝を目指した」
「……なるほど。確かにバカだが、頭を使ったもんだ」
「だが、それでも一番下の枝には到着はできなかったそうだが、5人目が到達高度の証拠にしようと写真を何枚か撮ったんだとよ。その1枚に、奇妙なものが写り込んでいたらしい」
「それが、この写真なのか」
「本当は、枝にぶら下がる巨大な鳥籠の写真だったんだ。そいつをギリギリまで引き伸ばしたのが、この写真ってわけだ」
「写真のことは理解した。だがこいつは正規のゲームだ。アスナと何の関係がある?」
俺はパッケージを取り上げ、もう一度眺めた。
すると。
「……これは……。おい、キリト」
俺は隣に座るキリトに長方形のトールケースの下部を見せる。そこには《RCT・progress》というメーカー名があった。
「レクト……プログレス……」
思わず呟いたキリトは、唇を噛み締めた。
「……なあエギル、他の写真はないのか?アスナ以外の《SAO未帰還者》が、この《アルヴヘイム・オンライン》で同じように幽閉されてる、みたいな」
キリトの質問に、エギルは分厚い
眉丘
(
びきゅう
)
に
皺
(
しわ
)
を寄せると首を振った。
「いや、そういう写真はないぞ」
「そんな写真があるなら……俺らより警察に連絡を入れるものだろ」
「ああ、そりゃそうだな……」
俺の突っ込みに、キリトは苦笑いを浮かべながら納得した。
《レクト・プログレス》というメーカー名を見た時、俺もキリトもあの男__《
須郷
(
すごう
)
伸之
(
のぶゆき
)
》の言葉を思い出していた。だが同時に、俺は昨日戦った《ダークカブト》が気になっていた。
現在SAOサーバーを管理しているのは自分だ、と須郷は言った。しかし管理と言ってもサーバー自体は相変わらずブラックボックス。ハッキングにも限度があった。裏でダークカブトが糸を引いているなら、事態はそう単純ではないはず。
アスナに似た少女が目撃されたVRMMO、その運営体がレクトの子会社、ダークカブトからの不吉なメッセージ。
全ては単なる偶然とはとても考えられない。ZECTに伝えたほうが都合が良い。
すると、キリトが顔を上げ、
巨漢
(
きょかん
)
のマスターを
見
(
み
)
遣
(
や
)
った。
「エギル……このソフト、貰っていいか」
「構わんが……行く気なのか?」
「ああ、この眼で確かめる」
エギルは一瞬気遣わしげな顔をした。その憂慮はキリトにもわかる。まさかと思いつつも、また何か起きるのではないか、という恐怖が足元からじわりと湧き上がってくる。
「……入った情報は眼で確かめなければな」
恐怖を振り払うように、俺はグイッとコーヒーを飲み干す。
「お前も行く気なのか?」
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