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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
新たな冒険
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トが眉を寄せながら言うと、エギルは厳つい口元にもう一度笑みを浮かべた。
「そう思ったんだけどな、こいつが今大人気なんだと。理由は、《飛べる》からだそうだ」
「飛べる?」
「妖精だから羽根がある。フライト・エンジンとやらを搭載してて、慣れるとコントローラなしで自由に飛び回れる」
それを聞いた瞬間、キリトは思わずへえっと感心した声を上げた。ナーブギア発売直後から、飛行系のVRゲームは数多く出たが、その全てがゲーム内で何らかの装置を操って飛ぶタイプだった。プレイヤーが生身でそのまま飛行するゲームが出なかった理由は簡単で、現実の人間には羽根がないからだ。
仮想世界に於いて、プレイヤーは現実の体と同じように動ける。それは裏を返せば、現実の人間に不可能なことは同じく不可能、ということでもある。それがVRゲームの魅力と言える。
「飛べるっていうのはすごいな。羽根はどう制御するんだ?」
「さあな。だが相当難しいらしい。初心者は、スティック型のコントローラを片手で操るんだとさ」
「………」
キリトは一瞬、挑戦してみたいと思ってしまったが、すぐにその気持ちを打ち消すように熱いコーヒーを飲んだ。
「まあ、このゲームのことは大体わかった。本題に戻るが、あの写真は何なんだ?」
エギルは再びカウンターの下から1枚の紙を取り出し、2人の前に置いた。プリンタ用の
光沢
(
こうたく
)
フィルムだ。問題の写真が印刷してある。
「どう思う?」
エギルに訊かれ、俺とキリトはしばらくプリントを凝視してから互いに頷き合い、言った。
「似ている……。アスナに……」
「似ていると言えば似ているが……これがアスナ本人だという確証があるわけじゃないだろ」
「やっぱりそう思うか。ゲーム内のスクリーンショットだから解像度が足りないんだけどな」
「速く教えてくれ。これはどこなんだ?」
キリトは焦りながら問う。
「その中だよ。アルヴヘイム・オンラインの」
エギルはカウンターからパッケージを取ると、裏返して置いた。ゲームの内容や画面写真が細かく配置されている中央に、世界の
俯瞰
(
ふかん
)
図
(
ず
)
と思えるイラストがある。円形の世界が、いくつもある種族の領土として放射状に分割され、その中央に1本の巨大な樹が
聳
(
そび
)
えている。
「世界樹、と言うんだとさ」
エギルの指が大樹のイラストをこつんと叩いた。
「プレイヤーの当面の目標は、この樹の上のほうにある城に他の種族に先駆けて到着することなんだそうだ」
「普通に飛んで行くことはできないのか?」
「なんでも滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい。この樹の一番下の技にも辿り着けない。でも、どうにもバカなことを考える奴がいるもんで、体格
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