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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
フェアリィ・ダンス
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鳥の
囀
(
さえず
)
り、暑いくらいの眩しい太陽、青い空に白い雲。一瞬ここをアインクラッドだと思った。
__だが違う。
ベットの上に腰掛け瞼を閉じていたが、何かに呼ばれるように眼を見開いた。
《オーシャン・タートル》の病室ではなく、細かい板材を張り合わせた壁が視界に映る。ベッドもジェル素材ではなく錦シーツを被せたマットレス。
ここは俺の__《スレイド・ハント》の、中央区隅田川付近に
於
(
お
)
ける邸宅の自室。
ベッドから腰を上げ、くるりと周囲を見回す。八畳の部屋には、天然木のフローリング。あらゆる本が並べられたウォールラック。南側の窓付近に置かれたローズマリーの咲く植木鉢。パソコンデスクの上に配置された最新、そして一般人が持てないような高性能デスクトップコンピューターが3台と、それらに繋がったモニターが5台壁に掛けられていた。
ウォールラック中段には、古ぼけた濃紺のマシンが置かれている。《ナーブギア》という、俺を2年もの間仮想世界へと縛り付けたフルダイブ型VRインターフェース。長く苦しい戦いの末、俺はあのマシンから解放され、今はこうして現実世界を見、触り、感じている。
そして__デスクの上に飾られた2枚の写真。
そう、俺は還ってきた。
しかし__俺は満足感に浸れなかった。仮想でも現実でも影の敵と戦い、両親を殺した《黒いスピードスター》を追い続け、気づけば10年も経過している。
2025年1月19日、日曜日。午前7時15分。
現実世界に戻ってすでに2ヶ月が経ったが、未だに親の仇を見つけられないまま。そして充分なほど世界に馴染めていないことに困惑していた。SAOにかつて存在した剣士ネザーと現実のスレイドは、同じ容姿でも、まったくの別人なのかもしれない。
「……どこにいるんだ?」
SAOにいる間はあまり考えないようにしていたが、俺は今も黒いスピードスターを探し続けている。
「一体……どこに……?」
呟いて、部屋の南側にある大きな窓に歩み寄り、両手でカーテンを開け放つと、冬の朝の控え目な陽光が部屋中を薄い黄色に染め上げた。
2年ぶりの現実世界。
あの血塗られたバトルディザイアーに、自分と晶彦が携わったSAO世界を通じた経験は未だ頭から離れない。日常からあまりに掛け離れた生活に何年も浸っていれば、懐かしくも思える。そんな気を紛らわそうと俺はランニングシャツに着替え、家のガレージに向かう。
金属製のドアを開け、10台の車を格納できるほど広いガレージに足を踏み入れた。
普段からよく使用していた馴染みのバイク《BMW・R1200GS》と、ドリームカー《BMW・i8》。両方とも俺の故郷であるドイツ製。
黒色系統のスモークガラスで
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