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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
フェアリィ・ダンス
再会
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、やがて顔を上げ、背後に立つもう1人の男を和人に示す。
「彼とは初めてだな。うちの研究所で主任をしている
須郷
(
すごう
)
君だ」
第一印象は人が良さそうな男だ。長身をダークグレーのスーツに包み、やや面長の顔にフレームレスの眼鏡が乗っている。薄いレンズの奥の両眼は糸のように細く、まるで常に笑っているかのようだ。かなり若く、歳は30には行ってないと思われる。
俺と和人に軽く頭を下げ、須郷という男は言った。
「よろしく、
須郷
(
すごう
)
伸之
(
のぶゆき
)
です。……そうか、キミがあの英雄ネザー君か」
俺に顔を向け、やや苦しくなる言葉を吐かれた。
こいつが__須郷__。
俺は目の前の男から感じる半信半疑な印象を受け止めた。
《須郷伸之》__以前、晶彦から聞いたことがある。
大学で晶彦の後輩だった男で、晶彦と同じ重村研究室に所属していた。ところが、自身よりも優秀な晶彦と競わされたこと、そして自身が想いを寄せていた《
神代
(
こうじろ
)
凛子
(
りんこ
)
》が晶彦の恋人であったことから、嫉妬と憎悪を募らせていた__と、ほとんど良好な話を聞いたことのない男だ。
直接な面識は今までなかったが、須郷自身の接し方から見ても、俺が晶彦の弟子だったという事実は知らないようだ。
2ヶ月経った今も、噂が完全に途絶える
兆
(
きざ
)
しは、しばらくないと思われる。
俺は晶彦を倒すため、大勢のプレイヤーが注目を集める中でやむなくカブトに変身した。結果、キリトやアスナを含めた数十人のSAOプレイヤーが俺の正体を知ってしまった。プレイヤーとしての噂もすでに広がっていたこともあり、他の帰還者にも噂が伝染し、俺を結果的に英雄呼ばわりされた。
しかし、聞いた話によるとZECTが第75層のボスに挑んだ元攻略組の帰還者達に接触し、取引で口を
噤
(
つぐ
)
んでもらうように処理したそうだ。どんな取引をしたのかは俺も知らないが、ブライス長官は俺の正体について当面の安全を保障すると約束した。個人的には信じ難いことだったが、2ヶ月が過ぎてようやく
熱
(
ほとぼ
)
りが冷めた。
気がつけば、須郷は和人との挨拶をすでにしている最中だった。
須郷と握手をしながら、和人は結城章三をちらりと見ると、彼は
顎
(
あご
)
を撫でながら軽く首を縮めた。
「いや、すまん。SAOサーバー内部でのことは口外禁止だったな。あまりにもドラマチックな話なのでつい喋ってしまった。彼は、私の腹心の息子でね。昔から家族同然の付き合いなんだ」
「ああ、社長、そのことなんですが……」
手を離した須郷は、結城章三に向き直った。
「来月にでも、正式なお話を決めさせて頂きたい思います」
「……そうか。しかし、キミはいいのかね?まだ若いんだ、新しい人生だって……」
「僕の心は
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