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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
フェアリィ・ダンス
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に恐れを感じた和人は、答えを追い求めるように再びベッドで横になる明日奈に眼を向けた。
艶
(
つや
)
やかな深い栗色の髪が、クッションの四方に豊かに流れている。肌の色は透き通るように白いが、丁寧なケアのせいか病的な色合いはまったくない。頬にはわずかなバラ色すら差している。
体重も、和人ほど落ちてはいないようだ。滑らかな首から
鎖骨
(
さこつ
)
へのラインはあの世界での彼女のものとほとんど同一だ。薄い桜色の唇。長い
睫毛
(
まつげ
)
。今にもそれが震え、パチリと開きそうな気さえする。彼女の頭を包む、濃紺のヘッドギアさえなければ。
ナーブギアのインジケータLEDが3つ、青く輝いている。
時折
(
ときおり
)
星のように 瞬またたくのは、正常な通信が行われている証だ。今この瞬間にも、彼女の魂はどこかの世界に囚われている。
和人は、両手でそっと明日奈の小さな右手を包み込む。かすかな温もりを感じていた。溢れそうになる涙を必死に堪え、呼びかける。
「アスナ……」
この切ない光景は、俺には謎としか言いようがなかった。
ベッドサイドに置かれた時計が、控えめなアラーム音で2人の意識を呼び起こした。時計に視線を向けると、いつの間にか正午になっている。
「俺はそろそろ行く」
「俺もそろそろ帰らないとな」
和人はどうにか笑顔を作って明日奈の顔を見た。
「アスナ。またすぐ来るから……」
小さく話しかけ、立ち上がろうとした時、背後でドアが開く音がした。振り返ると、2人の男性が病室に入ってきたところだった。
「おお、来ていたのか桐ヶ谷君。たびたび済まんね」
前に立つ
恰幅
(
かっぷく
)
のいい初老の男性が、顔を
綻
(
ほころ
)
ばせて言った。仕立てのいいブラウンのスリーピースを着込み、体格の割に引き締まった顔はいかにもやり手といった精力に満ちている。
「誰だ?」
俺は目の前の男が誰なのか和人に訪ねた。
「《
結城
(
ゆうき
)
章三
(
しょうぞう
)
》さん。アスナの父親だよ」
「アスナの……」
アスナの身元を調べた時、彼女の父親が総合電子メーカー《レクト》のCEOであることは知ったが、顔の確認まではしていなかった。
和人はひょいと頭を上げ、口を開いた。
「こんにちは、お邪魔します、結城さん」
「いやいや、いつでも来てもらって構わんよ。……ところで、お隣の彼は、君の友人かね?」
結城に眼を向けられた途端、俺はキリトの耳元に顔を近づけ、小声で本名は言うなと伝えた。
「あ、えっと、彼はネザー。SAOで一緒だった仲間で、明日奈さんとも知り合いです」
「おお、そうか。よろしく」
俺に向かって軽く頭を下げた後、結城章三は明日奈の枕元に近寄り、そっと髪を撫でた。しばし
沈思
(
ちんし
)
する様子だったが
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