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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
終盤
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テムの力が加えられたせいか、ヒースクリフは下を巻くほどの正確さで俺の攻撃を次々と叩き落とした。その合間(あいま)にも、少しでもこちらに隙ができると鋭い一撃を浴びせてくる。それを俺が瞬間的反応で迎撃する。局面は容易に動くことはなかった。少しでも相手の思考や反応を読もうと、俺はヒースクリフだけに意識を集中させた。

ヒースクリフの真鍮(しんちゅう)(いろ)の両眼はあくまで冷ややかだった。前回のデュエルの時に垣間(かいま)見せた人間らしさは、今はもう欠片も見えない。

俺が今相手をしてる男は、4000人もの人間を死に追いやり、俺達を2年もの間この世界に閉じ込めた。しかし、この男は俺の師匠で、(れっき)とした人間だ。ヴァーミンとは違う。

「はあぁぁぁ!!」

内側に秘められた力を無理矢理に押し出すように俺は絶叫した。更に両手の動きを加速させ、秒間何発もの攻撃を打ち込むが、ヒースクリフの表情は変わらない。眼にも見えぬほどの速さで十字盾と長剣を操り、的確に俺の短剣攻撃を弾き返す。

普通のプレイヤーなら不可能だ。システムの力を駆使して戦っているのは明白だ。しかし、ヒースクリフは防御に専念するばかりで攻撃を与えようとしない。まるで俺を試しているようだった。

俺の心に疑念が覆われていく。奴に(もてあそ)ばれてる、と。

「ふざけやがって……!」

俺は一旦攻撃を止め、地面を強く蹴ってジャンプし、ヒースクリフから離れた。俺との間に距離ができた途端、ヒースクリフは微笑を浮かべ唇を動かした。

「どうした……。バトルディザイアーのチャンピオンの力はそんなものかね?」

「………」

チャンピオンという言葉を聞いた途端、俺の中で忌まわしい過去が蘇った。不意に、その記憶が俺の心を侵食していくように感じた。まるで真っ白な紙が黒く塗り潰されていくようだった。

だが俺はどうにか闇を押し返し、払い除けた。右手でカブトライザーの柄をしっかりと握り締め、突然と脚を動かし全速力で晶彦に突っ込んでいった。ヒースクリフは瞬時に盾を構え、攻撃を防ぐ体制を整えた。先ほどまでの微笑な表情はいつの間にか無表情に変わっていた。俺がヒースクリフにあと一歩で近づきそうになった矢先に、超高速移動(クロックアップ)を発動した。

周りの時間が止まった。攻略組のプレイヤー達はまるで人形のように固まって立ち尽くし、2人の戦いを見守るように眺めるプレイヤー1人1人の表情や動きが異常なほどゆっくりと動く。

最速の世界に降り立ち、ヒースクリフの動きも止まったかと思った。

__だが。

なんとヒースクリフの動きが、俺の速さについてきた。

「っ!?……またあれか!」

デュエルの時のように彼の動きがコマ戻りの映像のように瞬間的に移動し、俺のクロ
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