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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第二話
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「そうです。正確に言えば城内省の斯衛軍が無茶な注文をした来たのですよ………。『将軍殿下をお守りするのが我ら斯衛軍の役目である。したがって常に精強無比足らしめく日夜訓練に励んでおります。しかし戦術機なる最新兵器に触れたこともございません。今次大戦の主力兵器となりつつあるこの兵器を保有していない我ら近衛軍は将軍殿下をお守りするという最重要任務の遂行が困難なのは明白であります。よって斯衛軍としては斯衛軍専用の戦術歩行戦闘機の配備を要請致します。それが困難な場合は繋ぎとして77式戦術歩行戦闘機の優先配備を要請致します。』…………こんなことを言ってきましたよ武家の方々は……」

 一言一句記憶していた近衛の言葉を聞いた四人は、載仁は大きくため息を吐き、博恭は眉間に指を当て、隆仁と智忠は大きく舌打ちをし思わず怒りの声を上げた。

「何が将軍の為だ!予算ばかり取って行って何もしていないじゃないか!斯衛の連中は!」
「それに撃震の配備は西部方面隊の第八師団に優先されることはもう決まっているのに邪魔ばっかしやがって!武家共が!」
「二人ともここは病院ですので大きな声を出さないでください」

 載仁に注意され、二人は口を閉じたが顔は不満で溢れかえっていた。

「なに〜いまの……?」
「ああ何でもないよ正仁もう少し寝てなさい」
「だいじょうぶです、ちちうえ」
「そうか……」

 二人の大声で起きてしまった正仁は眠気が冷めたのかそのまま起きることにしたが、正仁に聞こえない声の大きさで大人たちは話を続けていた。聞こえてはいたが幼い正仁には、何の話か全く分からなかった。






 そのわずか十分後、病室から鳴き声が聞こえてきた。


 その瞬間、隆仁は病室の扉を開けようとするも、智忠に後ろから抑えられ、博恭に叫ばないようにと口にハンカチを突っ込まれもがいていた。
 そして父親の醜態を見せないようにそっと載仁は正仁に目隠しをし、近衛は頭の中に叩き込んでいた昔話を話し始め、正仁の気を引いた。



 しばらくすると入室許可が下りたので隆仁の拘束が解かれ、正仁の目隠しが外された。近衛の昔話が気にいったのか上機嫌だった正仁に対し、ハンカチを口に突っ込まれていた隆仁は若干顔が赤かった。

「愛子無事か!?」

 隆仁が扉を勢いよく開けた白いベッドの上にはまだ生まれて間もない赤子を優しく抱く妻の姿があった。 

「私は大丈夫ですよ隆仁様」

 ほっと息をついた隆仁は、正仁の手を引きながらベッドに近づいた。そして生まれて間もない我が子を見つめた。
 かわいい……!なんて可愛いんだ…!

「男か?女か?」
「男の子ですよ」
「そうか…!では名前は、成仁(なりひと)だ!成すべきことを成し遂げる人に育ってほしいからな
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