第五十話 入試テストその四
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「そう思っているのならね」
「結婚もなのね」
「考えてね」
「ええ、けれど結婚はね」
「まだでしょ」
「想像も出来ないわ」
これが優花の今だった。
「だって大学にも入ってないし」
「そうね、けれどね」
「それでもよね」
「そう、これからはね」
やがてはというのだ。
「大学に入ってからは」
「考えていくことね」
「そうしてね、じゃあ今は
「ステーキもカツもグラタンも」
「サラダもね」
その全てをというのだ。
「食べてね、それとね」
「それと?」
「アイスクリームもあるから」
デザートもというのだ。
「それも食べてね」
「アイスもあるの」
「ええ、そちらも食べてね」
「わかったわ、それじゃあね」
「最後にそれも食べて」
「お風呂に入って」
「そうして寝てね」
休むことも忘れるなというのだ。
「いいわね」
「わかったわ、それじゃあ」
「明日の為に」
「そうするわね」
優花もこう答えた、そしてだった。
実際に優子と共にステーキとカツを中心とした食事を楽しんだ、そのうえで風呂にも入りその後はよく寝た。そうしてだった。
テスト当日朝早く起きてだ、優子が作った和食の朝食を食べて筆記用具等を持ってだった。
優子にいってきますと笑顔で言って入試会場に向かった。自分がかつて進んだその道をだ。そして
やはりかつて毎日通っていた高等部の校門の前で。
龍馬がいた、龍馬は優花の姿を見ると明るい笑顔でこう言ってきた。
「行くか」
「今からね」
「途中まで行く場所は同じだしな」
「だから途中まではね」
「一緒に行こうな」
明るい笑顔でだ、龍馬は優花に言った。
「これから」
「それでテストが終わったら」
「一緒に帰るか」
「そうしましょう、お弁当持ってきてるわよね」
「お袋が持たせくれたよ」
右手に持っている鞄に目をやってだ、龍馬は答えた。
「忘れるなって言ってな」
「そう、私もね」
「ちゃんと持って来たか」
「姉さんが作ってくれたの」
「優子さんらしいな」
「サンドイッチね」
優花はにこりと笑ってその弁当の内容も話した。
「プチトマトとか苺もあるわ」
「ああ、そっちか」
「ステーキサンドとカツサンドをね」
「そこでも縁起担ぐんだな」
「姉さん縁起好きだから」
だからだというのだ。
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