旧
9話
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様で、今も淀みがないことが無事な理由か。
さて、逆に言えば八坂様は常にとは言わずとも龍脈にすぐに触れれる場においておきたいということだ。触れた時にどう変化するのかはわからないが、なんらかの感触が得られるはずだ。このまま待っているとしよう。張り続けて数時間、ようやく誰かが龍脈に触れた。触れてきた場所まで移動するが、そこに誰かが居た形跡はない。
「どういうことだ?」
現在も龍脈への接続は確認している。なのに誰も居ない。幻術?いや、異界操作か?むぅ、これは向こうから招いてもらわなければならないようだな。考え込んで隙を作っている振りをして数分で動きがあった。結界とは違う感覚で取り込まれる感じ、霧が見えたことから神滅具の絶霧だと断定する。さて、セラフォルー様のために頑張りますか。
「匙が、音信不通!?」
「昨夜に八坂様の行方の調査を頼んでから、敵と接触したと連絡があったきり、駒のパスも消えちゃった。異界に取り込まれたか、もしくは」
「あの匙がやられたと?」
「ないとは言い切れないの。八坂様は私たち魔王ともタメを張れるぐらいに強い。それを周囲に気づかせずに攫っている時点で相手はかなりの力を持っているの。不意を突かれたら」
そこでレヴィアタン様が口を閉ざす。あの匙でさえもやられたかもしれない相手にオレたちは敵うのか。不安が漂う。
「あの匙が簡単にやられるとは考えたくないが、これからは出来るだけ固まって行動だな。一人には絶対になるな。増援も呼びつけるが、時間がかかる。全員気を引き締めていろ」
「嘘だ」
ヘラクレスと名乗った男が投げ渡したものを見て、オレはそう呟いた。木場も生徒会の皆も否定の言葉を出す。血まみれで、破れたり壊れたりしているコートにマフラーにゴーグル。匙が使っていたものだ。だけど、普通に市販されている物でもある。だからこれは奴らが用意した物だと思う事にした。あの匙が簡単にやられるなんて思ってない。
「現実を見ろよ、悪魔ども!!まあ、これぐらいなら偽物を用意できるだろうが、こいつは無理だろ。おいジャンヌ!!」
だけど、ジャンヌと呼ばれた女が持っていたものを見て心が折れる音が、生徒会の皆から聞こえたような気がした。女が持っていたのは聖魔剣エクスカリバーと聖魔剣アロンダイト。匙だけの剣だった。それをあの女が拒絶されずに持っている意味を理解したくなかった。
「やれやれ、この程度で心が折れたか。いや、戦力的にもそれだけウェイトが高かったということか。ふっ、不意打ちで仕留めておいて正解だったか。ヘラクレス、もういいぞ」
「へへっ、待ってたぜぇ〜、その言葉!!」
曹操とか言う男がヘラクレスに許可を出す。まずい、殺しにくる。
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