Side Story
少女怪盗と仮面の神父 43
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位を持つ個人に、繋がりが認められてない」
「はい残念、不正解! アルスエルナ王国の領土と同じ名前を持つ人間が、国内に血縁と戦力を残しつつ、世界で最大級の後援を得ているアリア信仰に地位を与えられたんだぞ? この聖職者の実家はこちらです、と宣伝してるようなもんだろうが。十九年前の事件を踏まえて、よお〜く考えてみろよ。もしも今、反アリア信仰派がメルキオーレ侯爵領もしくはアーレスト個人を襲ったとしたら、アリア信仰側はどう動く?」
「どう……って………… あ」
十九年前、アリア信仰の有力者と繋がりある女性を殺害したバーデルは、全世界から見せしめの意味も込めて袋叩きにされた。
時は流れ、世界情勢に多少の変化があったとしても……
いや、足元を見られ始めている、今だからこそ。
アリア信仰側には、より強い結束力が求められる。
だとしたら。
「「襲撃者を、完膚なきまでに叩きのめす」」
「はい、正解です」
重なり合った男性と子供の声に、聖職者がにーっこりと目を細めて笑う。
「アリア信仰側も、愚か者ばかりではありませんから。復興の遅れが周囲にどう見られるかくらい、言われずとも自覚しています」
というか、敵味方問わず被害国すべてに資産を振り分けると決めた時点で予想されていたことですし。
当然、暴虐の被害に遭った際の対処方法も、後援国の間で議論済みです。
そしてそれは、冷静な目と思考を持つ者なら誰にでも読める展開であり、そうした本当の意味で頭が切れる厄介な方々は、中途半端な覚悟では決して襲ってきたりしないものです。
「……そっか……これ、村の女の人達と同じだ」
好きなものに群がる行為自体が、個々の防衛に繋がる。
アリア信仰側は、信仰を通して自国と各国の民を相互に護っているのだ。
アリア信仰の神父であるアーレストや、彼と同じ名前を持ってる侯爵領を襲撃すれば、信仰の後ろ楯達が防衛と称した報復に動く。
つまり、アリア信仰の威光が『メルキオーレ』を庇護している。
そして
「リアメルティ伯爵の名を持つ私が高位聖職者に就けば、反アリア信仰派は迂闊にリアメルティ領を侵せない……!」
(アリア信仰は基本的に争いが大嫌い。アルスエルナ王国としても、体面上よほどのことがない限り、聖職者と同じ名前の領主に先陣を切って戦えとは言いにくい。だから、聖職に招かれた私がハウィスの役に立てるんだ!)
「まあ、同門の他国が襲われたらこっちも動かなきゃならんがな。見せしめ効果持続中か、今のところは、どの国も被害軽微な口喧嘩程度で済んでる。一手先も読めない無謀なバカが、幼稚な攻撃を仕掛けてきたり、後援各国が今回みたいな騒動
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