第39話(改1.4)<長い一日(中)>
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対があった」
「作戦」
大淀さんが呟く。
「特攻ね」
これは祥高さん。二人の艦娘にとっても、あの『作戦』は印象的だったらしい。
私は祥高さんの言葉を受けて、やや反論気味に将校に言った。
「わざわざ陸攻を囮に使って落とすのは、やり過ぎではないかと思いますが」
気分を害するかと思ったが彼は意外にも私の言葉に頷いて言った。
「そうだな。もともと陸攻など通常兵器は役に立たないのは重々承知していた」
「なるほど」
「やはり」
相槌を入れる呉と神戸。調子が良いな。
会議室を見回した将校は少し肩をすくめて吐き出すように言った。
「あれはダメ押し的な作戦だ。未だに艦娘に懐疑的な連中が軍令部内にも居てな。操縦士には無理をさせたが一種の『見せしめ』だ」
「見せしめ?」
その言葉に私は意外な印象を受けた。彼は冷静かと思ったが時には思い切った作戦も実行するようだ。
併せて将校の『懐疑的な連中』という台詞が気になった。思想的に彼は艦娘寄りなのだろうか?
彼は腕を後ろに組んだまま皆の前で行ったり来たりし始めた。いかにも神経質な印象だ。
ふと立ち止まった将校は続ける。
「海軍だけではない。我々に比べれば敵と対峙する機会の少ない陸軍や空軍でも力不足なことは、よく分かっているはずだ」
「ウン、そうですな」
呉は反応が良い。私もそれには異論はない。その場に居る参謀たちも頷いている。
「陸軍か」
私はボンヤリと、お台場の破壊された高射砲を思い出した。
窓際に立った将校は少し間を置いてから振り返った。逆光気味でメガネがギラギラと乱反射して眩しい。
そういえば昼も近くなって日差しも強まっている。見ると窓の外の日本海には白い入道雲が出てセミが鳴いていた。
以下魔除け
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