過去編、横須賀の過去 照彦side
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総攻撃時に使ったんだけっけ...
考えてても仕方ない、そう言い聞かせ艦娘達全員に向け、通信を飛ばす
「全艦隊に告ぐ、被弾して続行不可能になったら灯台下へと来てくれ、バケツがすこし残ってる」
通信をつけっぱなしにしていたので艦娘達の声が聞こえている
そこに耳を疑う内容の怒声が響いた
『赤城!!あぁもうクソ野郎!!赤城が大破、航行不可能になった!!』
「すまん!!バケツ任せる!!」
俺は足元にいた妖精達にそう言い、鎮守府に戻った
携帯用の通信端末だと指揮している摩耶にしか通信が繋がらない
俺は赤城に通信を飛ばすために司令室に向かっていった
ドアを蹴り開け、通信機をとり、赤城へと繋げる
「赤城!!無茶をしないでくれ!!」
そう嘆願するがもえ航行不能になった赤城は弱った声でこう言った
『提督、私は...あなたの元で戦う事ができ、そして結婚までしてもらったことを光栄に思います...』
「そうか...もう...覚悟は出来てるのか...」
はい...となお弱った声で芯の通った様なはっきりと呟いた
『今ね、前の方に彰人がいるの、駆けつけてくれたのね...優しい子』
「来てくれてんだな...お前に似たようでよかったよ」
『ふふっ、そうね...顔はあなたに似てて凛々しいわね』
俺は涙を堪えられずにいた
「赤城...彰人に悲しい顔は見せないでやってくれ、どうせなら...笑って終わろう」
『もう時間だわ敵の艦載機がいっぱいこっちに来てる』
俺は力いっぱい摩耶に命令を下す
「摩耶!!対空用意!!誰も沈めさせるな!!」
対空射撃!!という摩耶の声が聞こえた
しかし程なくして...
『1機逃した!!』
との声が聞こえた
赤城に通信を変え
「赤城、いままで...ありがとう...」
涙ながらにそう言うと
赤城は微笑みながら
『こちらこそ...ね?』
と言ってくれた
そこで通信が途切れた
摩耶に通信を切り替え、撤退の命令を下した
『撤退命令だぁ!?何言ってんだ!!』
「撤退しろ...摩耶、これ以上...犠牲は出したくない....」
摩耶は嫌々ながらも了承してくれた
俺も逃げるのを条件に
『各艦隊に通達!!横須賀から退くぞ!!』
その摩耶の声が聞こえ、安心した俺は通信を切った
最後に、友人の提督に電話をかける
「よぉ、元気にしてるか?」
『いきなりなんだよ?』
俺は時間が無いことを伝え、強制的に遺言を押し付けた
横須賀を、残った艦娘達を...
救ってくれ、お前にしかできないんだ
「横須賀を...頼む...!!」
最後にそう伝えろと言い、電話を切る
「じゃあな...彰人...達者でな」
俺が艦娘達と築き上げた横須賀鎮守府はすべてを亡くし、崩れ去った
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