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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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リード・キルヒアイス少将であった。

総兵力は10万余隻。兵員1200万人。イゼルローン要塞に向かわせているフィオーナ以下の5万隻を除けば、ラインハルト麾下の動員力としてはほぼ限度いっぱいであった。この動員は過去最大級と言えるものであり、当然莫大な経費がかかるのであるが、ラインハルトは帝国軍三長官との交渉において、自身が前線に赴く代わりにこれを了承させたのであった。

バーバラ、レンネンカンプ、ケスラーは帝都の留守を指令され、それをひそかにアレーナ、エレイン・アストレイアの二人の転生者が支援する。ラインハルトが帝都を離れてから起こりうることを想定し、それに対する対策の網も張り巡らしていた。万が一の事態になった場合に「誰を優先して救うべきか。」までをも話し合いに盛り込んでいたのである。後は開始の時期を待つだけだった。
彼女の想いは十余年前、はるか昔にラインハルトとキルヒアイスとに出会った頃にさかのぼっていた。それがそもそもの始まりであり目的の第一歩だったのだ。彼女の意識は銀河の中にある瑠璃光が流れる川に乗って下るように、ずっと記憶をたどるように浮き沈みしていた。
「オーベルシュタインを呼んでちょうだい。」
副官を呼び出してそう伝えてから、イルーナはじっと両手を額に押し付けていた。彼女がそれをほどいたのは、義眼の半白の参謀長が目の前に音もなく現れてからだった。


 他方、元帥府に戻ったラインハルトはすぐさま麾下の諸艦隊に動員令を下すと同時にイルーナ、アレーナ、キルヒアイスと極内密な話し合いを行って今後の方針を決定した。それが終わったラインハルトの下に訪問客が数名訪れているとの知らせがあり、彼はそのまま客間に足を向けた。部屋に入ったラインハルトを立ち上がって迎えたのは、カッシーナ家、バーンスタイン家、シトロニエ家、シャティヨン家などの辺境の貴族連中である。彼らはラインハルトから内々に辺境開発の支援を受けており、その見返りとしてひそかに彼と結んでいたのだった。具体的にはラインハルトの諸艦隊の補給基地としての場所の提供である。
「いよいよ立たれますか。」
と言ってきたのはフランツ・ル・モンテール・フォン・シャティヨンである。32歳の若い貴族であったが、貴族階級には珍しく身分を越えた内政統治に熱心で有り、カール・ブラッケなどと交流が深い。シャティヨンのみならずラインハルトのよしみを通じてきている貴族連中は、辺境出身者の集まりだけにかえって経済や政局の流れに敏感になっていた。そもそも、そうでなくては乏しい資源の惑星は生き残れないのである。
「立つ。イゼルローンに向けて進発をすることとなった。かねてからの約定通り卿等の助力を期待することとなる。」
「お任せください。既に準備を整えつつあります。閣下の覇業成就にいささかなりともお役に立てれば幸いで
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