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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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すればイゼルローン要塞失陥、敵要塞がイゼルローン要塞にとって代わるという最悪の事態になることを懸念するばかりです。」
実を言えば、ラインハルトの脳裏には今度の要塞の後退案こそが彼の次なる大いなる一手を構築する手としてすでに織り込み済みだったのである。このことはローエングラム元帥府の中においてイルーナ、アレーナ、キルヒアイス、フィオーナらごくわずかな人間にしか明かされていない極秘事項であった。
「であるならば、卿が前線に赴いて対処すればよい。」
ミュッケンベルガー主席元帥が苦い顔で言った。
「部下からの報告では今一つ判断しかねるところがあるだろうからな。卿自身がつぶさに戦況を確認し、それでもなおイゼルローン要塞を破壊せしむる他手段がないとなれば、卿の責任においてそれを行えばよい。」
「私は十分に部下を信頼しております。報告についてもお手元の報告書において何度も詳細に検討されているところですが。」
「卿は臆したか?」
エーレンベルク元帥がかすかに意地の悪い視線を向ける。他の帝国軍2長官は一瞬彼に視線を向けたが、すぐにラインハルトを見た。
「・・・・・・・・・。」
この間ラインハルトの脳裏には目まぐるしい速度で回転する様々な色彩がうかんでいた。滅亡、攻勢、敗北、勝利、和解、決裂、死・・・・。そして、生・・・!!それらが万華鏡のように彼の脳裏に複雑怪奇な文様を描いていたが、ほどなくしてその文様はある一点に収縮し、綺麗な絵となったのである。
「臆してなどおりません。」
ラインハルトは静かにそう言った。
「わかりました。それほどおっしゃられるのならば私自身が前線に赴いて判断いたします。それでよろしいでしょうか?」
帝国軍三長官の無言のうなずきをもって会議は終了した。
ノイエ・サンスーシの華麗な回廊をラインハルトは静かに歩く。別室に待機していたキルヒアイスが現れて、彼のやや後ろを歩き始める。いつもの光景であるが、いつもの歩き方ではないことをキルヒアイスはいち早く見抜いた。
「キルヒアイス!」
誰もいない回廊の隅に出てくると、ラインハルトはさっと振り返った。
「始まったぞ。」
たったのその一言だったが、キルヒアイスはそれで充分に察することができた。
「俺たちは引き返すことができなくなった。覚悟はいいな?」
無言でキルヒアイスはうなずく。ここから先の戦いは、文字通りの死闘となるであろう。今度こそ生き残れるかどうかはわからない。それは他ならぬ転生者であるイルーナ、アレーナの両名ですらそう言っていたのである。
「負ければすべてを失う。だが、勝てば俺たちはすべてを手に入れることができる。いや、俺達だけではない。」
ラインハルトは広大な庭園に面した回廊の欄干に手をかけた。彼が見上げている空には恒星ソールのまばゆいばかりの光が満ち溢
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