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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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此度の戦いにおいて敵の戦力がわが方を凌駕しているわけでもない。そのような場合に背を向けることは帝国軍人のなすべきところではない。」
と、シュタインホフ元帥。
「イゼルローン回廊が失陥すれば、反乱軍が帝国本土になだれ込んでくる可能性が大きくなる。そうなった場合、迎撃作戦においてわが方は多大な物量と人員をつぎ込まなくてはならなくなる。卿はそれを知悉した上で話をしているのか?」
と、エーレンベルク元帥。
まったく、帝国軍三長官の言うところは正しいのである。正しいのであるが、現場の判断を最優先にすべきだと考えているラインハルトからすれば噴飯ものの机上の話なのである。ラインハルトはつぶさにフィオーナらから報告を受け取り、かつ逐一戦況の映像を分析したうえで、後退もやむなしと結論付けたのだった。
今のところは、また引力を応用して双方の主砲が使用不能になっているのであるが、いつまでもコバンザメのようにくっついているわけにもいかない。第一、敵の要塞の主砲の射程はイゼルローン要塞を凌ぐのである。座して殴打を受け続ければいずれは死に至るということを三長官は認識しているのだろうか。
後退と言っても帝国の回廊出口付近に後退するだけの話であって、回廊そのものを放棄するわけではない。相手をけん制しつつ要塞の主砲の射程を伸ばし、対抗する手段を模索することとなるのだ。
「では、一つ別の許可をいただけますでしょうか?」
「許可とは何か?」
孺子め、何を言い訳することやら、という3長官の視線をラインハルトは無造作に跳ね返しながら、
「後退すら許可いただけないとなれば、イゼルローン要塞は反乱軍の攻勢を受けるだけの無用の長物と化すだけです。そこで、イゼルローン要塞を敵要塞に特攻させ、差し違えさせることをお許しいただきたい。」
とたんに帝国軍三長官の顔色が変わった。
「馬鹿な!?」
「何を考えているのだ!?」
「そのようなことを許可できると思っておるのか?」
無理もない。イゼルローン要塞は多額の国費と多大な年月をかけて建造された帝国の防衛の要石であるからである。そのような要塞を無造作にドブに捨てるがごとく「特攻させる」と言い放った孺子に帝国軍三長官は驚き、軽蔑、嫌悪、そして畏怖の表情をもって彼を見た。
「このまま対峙していてもイゼルローン要塞が一方的な砲撃を受け続けるという事実はおわかりでしょう?」
「それはわかっておる。わかっておるが――。」
と、言いかけるシュタインホフ元帥に最後まで言わさず、
「敵の備えも精強です。既に現場には敵の3個艦隊のみならず、さらに2個艦隊が増援に駆けつけつつあるとの報告もあります。さらに2度にわたる突入作戦も封じられ、千日手の様相になってきています。このような事態になったのはまったく私の至らざるところにありますが、このまま事態が推移
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