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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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つけて、ただ殺戮を目的に戦うのは、人として、武人として、どうなのでしょうか?」
と、言われてしまったのだ。リューネブルクが答えずにいると、
「その矜持を持つそれこそが、私たちが『私たち』でいられる最後の一線であるのだと私は思います。それを越えてしまったら・・・・私たちは人でいる資格などないと思います。ただの殺人機械、殺人兵器ではないですか。」
という言葉も言われたのだった。リューネブルクは自分の上官の顔を見た。その時には彼女は別の麾下の緊急報告に対してテキパキと指令を下していたのだったが、先ほどの会話の余韻は充分に顔に残っていた。自分よりもはるかに高い次元の違う戦闘能力を持ちながら、そのことを誇りに思わず、むしろ苦痛として受け止めている横顔だった。
彼はしまいには承知した旨を伝えざるを得なかった。むろんまだ反発もあったし、考え方が甘いのだとも思ったが、彼女の言葉の一片がずっと心に残っていたのは事実である。それからの彼はともすれば「自分がどうあるべきか。」を考えるようになっていったと言っていい。
* * * * *
「義だの理想だのたいそうなものは俺にはない。ただ、俺が俺でいられる術を探しているにすぎん。」
かつての部下に対して上官の立場を刺激されたわけではなかった。ましてやおせっかいでいう事はリューネブルクのポリシーにそぐわない。ただ、これだけは言っておきたかった。自分の立場などを理解してもらいたいというものではなく、しいて言えば、この男に対しての運命の選択肢を与える役目を果たす、と言ったところだろうか。
「・・・・・・・。」
「お前がこちらに戻ってくるとは思わんが、それならそれで拠り所とする人間を見つけ出すことだな。」
黙然とするシェーンコップをしり目に、リューネブルクは立ち上がると、病室を出ていった。ベッドに横たわるかつての部下を振り向きもせず。
他方――。
帝都オーディンでは帝国軍三長官会議が招集されていた。題目はイゼルローン要塞における攻防戦である。三長官がラインハルトを呼びよせ、戦況を直接聞くこととしたのだった。
帝国軍三長官会議において、出席していたラインハルトがイゼルローン要塞後退の許可を出した途端、軍議は一気に沸騰した。誰もかれもが内心「金髪の孺子め、とうとう泣きついてきおったわ!」と快哉を叫び、同時に断固としてこの孺子の訴えを受理しない旨、内心で互いに無言の決意を交わしあったのである。
「後退など許可できると思うか?それによってイゼルローン要塞に居座るのは敵であり、攻守所を変えることとなる。そうなれば今度はわが軍が多量の血を流すことになるではないか。」
と、ミュッケンベルガー元帥。
「戦略的にも撤退などできぬのは自明の理だ。それに卿の麾下の艦隊はまだ決定的な敗北を喫したわけではないし、
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