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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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むろん良くはありませんよ。ただ、一つ言えることは私は独りではない。まだ仲間内で強固な防壁を作るだけの力はある。嵐が去るのをじっと待つしかない。今の我々にできることはそれだけですよ。」
「そうですか・・・・。」
フィオーナは顔を俯けたが、やがてシェーンコップを見つめた。
「・・・あなたたちはご存じないでしょうけれど、帝国に逆亡命した人間がどんな扱いを受けているか、想像がつきますか?」
「おおよその想像はつきますよ、おそらくは私たちが受けているものと同等それ以上の扱いをね。」
シェーンコップが言ったことは事実でもあり、誤りでもあった。帝国への逆亡命者の受ける扱いについては、大貴族の縁者であれば、元のように厚遇されることもあり得なくはない。だが、大多数の逆亡命者に待ち受けているのは過酷な環境と衆目にさらされ続ける疎外感だった。
以前フィオーナはヴァリエを通じて今の帝国の逆亡命者の現状を調べてもらったことがある。リューネブルクのような軍における士官が叶うのはまだましな方であり、大多数の亡命者は流刑地に飛ばされるか、良くても監視のもとに戦々恐々として暮らすかである。もっとも、逆亡命を考えるなどというのは、まず一般民衆では考えられない話であり(相互監視体制、密告が蔓延した帝国に帰還すればどんな末路が待っているかは明白で有ろう。)ほとんどの場合は貴族連中が中心だった。
「怪我が完治すれば、あなたを解放します。あなただけでなく捕虜となったローゼンリッター及びあなた方将兵すべてを。いずれは私の方から向こう側に捕虜交換を申し出ることにしますから、それまでの辛抱です。」
この申し出に対してシェーンコップは否とも応とも言わなかった。ただ、
「お手数をおかけしますな。」
と言ったのみである。彼の言葉が消え去ると、病室はにわかに息苦しさに満ち溢れた。それを振り払うように、フィオーナは、
「あの、時々ここに来てもよろしいですか?」
「あなたは私を捕虜にした。しかも銀河帝国の上級将官だ。私に断る権限は表向きはありませんな。」
最後までシェーンコップは皮肉交じりの言動を辞めなかった。ただ・・・フィオーナたちが去った後、その視線はしばらくは病室の入り口に向けられたままだったのである。ほどなくしてそれはもう一人の予期しない来客の姿を目にすることとなった。その顔は見忘れようにも忘れられない顔だった。
「久しぶりだな、シェーンコップ。」
リューネブルク少将が例の不敵な笑みを浮かべて近づいてきたのだった。
「リューネブルク大佐。」
シェーンコップはかつて帝国に逆亡命した自分たちの連隊長がこうしてぬけぬけと居座っていることに内心衝撃を覚えなかったはずはないが、強靭な意志の力でそれを抑え込んでいた。
「今は少将だ。階級章の読み取りくらいは青二才のお前だって知っている
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