アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
圧倒的被害
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。さっさと脱出るか。」
「その必要は無い。」
「っ!?チッ!!」
突如飛来した魔力弾を、咄嗟に氷の盾を生成して防ぐ暁人。貫通性の魔力弾は鋼鉄並みの強度がある暁人の氷を半ば近くまで穿ち、停止した。
「……誰だ?」
「この艦の艦長、クロノ・ハラオウンだ。大人しく武器を捨てて投降しろ。」
「……素直にそれを聞くとでも?」
「思ってないさ!《ブレイズキャノン》!!」
クロノの放つ砲撃を、今度は受け止める事なく回避する暁人。
「温度変換……。」
高熱の砲撃魔法。明らかに暁人を凍結系の魔導士と意識したものだ。
「《アイシクルハープーン》、貫け。」
「《スティンガーショット・ヒートスタイル》!」
熱気と冷気が激突、氷が蒸発し、水蒸気が再び凍り、白煙が立ち込める。それを切り裂き突進するのは暁人。
「ハボクック!」
〈Aye sir.〉
氷の刃を伸ばし、槍と化した杖を振るう暁人。
「ーーー《雪月花》!!」
超速の三段突きが空気を凍らせ、白き尾を引きながらクロノを襲う。カートリッジを使用し増幅された魔力を全て身体強化に回すこの技はベルカ式の騎士すら圧倒する。
しかし、相手は名うての提督。カートリッジで強化された膂力に押されながらも、三連撃全てを的確に見切り、手にした杖で弾く。
暁人の攻撃を受け止めたデュランダルに重たい氷塊が付着しているが、次の瞬間には全て砕け散り、またハボクックの穂先にもひびが走る。
「振動破砕……ますます厄介な。」
クロノの魔法《ブレイクインパルス》は魔力を高速振動に変換し、身体又はデバイスの接触で対象を破壊するものだ。必然、実体としての性質を持つ氷とは相性がいい。
「……悪いが、お前みたいに巧い奴と準備無しに相手をしている時間は無いんだ。逃げさせてもらおう。」
「させると思うか!」
暁人の宣言に逃すまいと貫通魔力弾を準備するクロノ。しかし、
「すると言った。《ホワイトアウト》」
先の戦闘でフェイト相手に猛威を振るった範囲魔法。詠唱無しのために先程のような威力は無かったが、視界を遮るには十分であった。だが、
「見えないなら虱潰しに撃てばいい!《スティンガーブレイド・エクスキューションシフト》!!」
クロノの周囲に無数の、それこそ百ではきかない数の魔力刃が展開された。数えるのも馬鹿らしい程の魔力刃が360°に放たれた。
「…上が空いてるぞ?」
「わざとやってるんだよ!」
跳躍し頭上をとった暁人と予め読んでいたクロノが互いにデバイスを振りかぶる。
「《セイクリッドスピア》!!」
「《銀嶺白夜》!!」
二つの白い魔力の刃が激
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ