第35話(改1.3)<比叡参上です!>
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『ハイッ、比叡です!』
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マイ「艦これ」「みほちん」
:35話(改1.3)<比叡参上です!>
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「提督、あれを」
大淀さんが美保湾を示す。
山城さんを取り巻く敵艦隊の周辺に幾つもの水柱が立ち上がっている。
「友軍ですか?」
神戸が安堵したように言う。敵の攻撃が少し緩んだようだ。
爆音が少し収まり視界も回復しつつあった。
その時、無線機から軽い声が響く。
『司令ぇ! 聞こえますかぁ? お久しぶりですっ!」
この声は
「比叡か?」
『ハイッ、そうです!』
オォっという感じで指令室に安堵感が広がる。
「やっぱり軽いな」
私は苦笑した。
『司令ぇのために、日本海を全速力で突っ走ってきましたぁ! もうこれ以上、奴等の好き勝手にはさせませんからっ』
「あぁ」
思わず生返事。正直、彼女には、こんな応対でも本人が全く気にしない。逆に修羅場の戦闘中には、それが助かるのだ。
「元気そうで良かった」
『はいっ!』
間髪を入れず無線に反応。このノリも変わらない。
『比叡?』
そこでボソッと山城さんの呟きが入ると直ぐに反応が返る。
『山城お姉様、少しジッとして下さい! さっきのは威嚇です。今度は本気で狙いますからっ』
「軽く言っているけどホントに大丈夫か?」
私はわざと大きめの声で言う。無線は聞こえているはずだが比叡は無視した。
『全門、斉射ぁ!』
断続的な砲声が美保湾に響く。新たな黒煙が立ち上った。
『敵駆逐艦、大破2、撃沈3!』
山城さんの随走艦から次々と戦果が入る。発言が軽いとはいえ金剛型だ。やはり攻撃力は大きい。
『よし!』
海の上で拳を振り上げている比叡の姿が思い浮かぶ。
しかし反対側の空を見ると陸攻が弓ヶ浜上空を旋回していた。
(このままだと、また中海の敵に狙われるぞ)
そこで私は思い付く。
「比叡、聞こえるか?」
『はいっ』
「中海……半島の反対側の海に居る深海棲艦を狙えるか?」
『やってみますっ!』
無線から計算する呟き声と同時に軽く二発の発射音。
直ぐに上空を砲弾の滑空音がした。
だがズズンと嫌な地響き。大淀さんが報告する。
「比叡の砲弾は美保空軍基地に着弾」
直ぐに神戸が双眼鏡で西方向を覗く。
「白煙が上がってますね」
「はぁ」
私がため息をつくと同時に比叡の軽い声が叫んだ。
『とっ遠いです。届きませんンっ司令っ!』
(ダメだったか)
「滑走路、2発命中」
寛代が呟く。
唸り声とともに悔しそうな比叡。
『だ、ダメですぅ!』
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