暁 〜小説投稿サイト〜
守りたいだけ
事の始まり
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かに息を殺していたのだが、一向にインターホンが鳴り止まない。
「まさかあいつら!」
嫌な予感がしたので、窓から外を確認しようと自分の部屋へと急いだ。すると同時にインターホンが止んだ。不思議に思い、一応窓から覗くと誰もいなかった。
再び階段を降りて玄関に向かう。そしてゆっくりと、ゆっくりとドアの隙間を空けていく。
「響也!」
いきなりの大声とともにドアが一気に開かれた。
ビビって尻もちを付き、さらに腰を痛めた。
「ってーな、誰だよ! こんな常識知らずは、勝手に人の敷地に入ってくるなよ!」
まぁ、毎度のことだから誰がだなんて分かり切ってることなんだけど。
「こらまた学校サボって、たまには外でないと健康に悪いよ」
常識を知らない上人に説教をかましてくるこの女は、僕の幼馴染み柊 静愛だ。
家が近所なものだから頻繁にこうして人の家に不法侵入してくるのだが、家族ぐるみで仲良くやってるのでそんなことは一切気にしないのが世の末。
「『健康に悪い』って、普通『身体に悪い』って言うもんじゃない? あと事情知ってるくせに何くだらない冗談言っちゃってんの」
「いいじゃない、さして大したことではないし」
同い年でも精神年齢は別なようだな。あとそれで大したことないなら『心臓に悪い』ってのも『心に悪い』って言うのも変わりないってことになっちゃうんですけど。後者は心が汚れてるのかな。
「で、何しに来たの? 母さんならついさっき出かけたけど」
「いやただの暇つぶし」
・・・・・・多分、今の僕すっごい迷惑そうな顔してるんだろうなー。事実、帰ってほしい。
すると外の扉同士がぶつかる金属音がした。
「なぁ静愛、外の扉ってちゃんと締めてくれたか?」
静愛は首を傾げて言う。
「当たり前じゃない、近頃物騒だし。そういえばニュース見た? 連続通り魔だって、しかも女学生を中心にだって。ちょっと怖いなぁ、ここ周辺なんでしょ?」
「あ、ああ、そうらしいな。てかお前、時間大丈夫なのか? お前の学校までって結構はなれてるんじゃあ・・・・」
そう言って壁に掛けてある時計を見た。只今の時刻08:24
「やっばーーい! ごめんもう行くね」
言うと静愛は急いで弾かれるようにここを飛び出た。
しおらしい名前の割には性格は真逆だな。これはギャップなのか、でも一切の萌え要素を持ちかねていない。
「気を付けてな」
「うん、それじゃまたあとで」
扉を開けて走って行く静愛を見送ろうと道に出た。
危なっかしいなと思いながらも眺めていると、物陰から黒ずくめの不気味な奴が現れ、静愛に近づいた。
『女学生を中心とした連続通り魔』
ふと先ほどのニュースが過ぎり、急いで静愛目掛けて走った。
「静愛、逃げろ! そいつが
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